産休にはいる役員の役員報酬について

今月の半ばから産休に入る役員がおります。この場合、役員報酬の支払いを停止、もしくは減額することは出来ますか。
また、産休に入る月については日割り等を行っても問題はないでしょうか。

回答

お問い合わせの件につきまして、結論から申し上げますと一定要件を満たせば役員報酬の減額は可能です。ただし、日割りによる支給は出来ません。

通常、役員報酬は株主総会等で年に一度その額が決定され、「定期同額給与」として支払われます。定期同額給与とは簡単に言うと「毎月同じ額が支払われる給与」という意味で、原則として支払月により金額が変動することはございません。つまり、日割り等による変動もございません。

もし日割り等による月の報酬額の変更を行った場合、報酬の一部または全部に対して損金算入が行えなくなる等の影響がございます。
誤って日割りによる支給を行わない様にご注意下さい。

ただし、「臨時改定事由」があった場合には、一定の手続きを経て報酬額を変更することは可能です。
この臨時改定事由というのは、簡単にいうと「やむを得ない事情があった場合」という意味で、会社業績の変動や役員の役割や地位の変更、役員の個別事情(傷病等)による業務遂行不可などが挙げられます。

お問い合わせにございました産休・育休による休職はこの「臨時改定事由」に該当いたします。そのため、株主総会以外の時期であっても役員報酬の変更を行うことが可能です。

実際の手続きに当たっては、何らかの届出を提出する、といったことはございません。
ただし、臨時株主総会や取締役会での決議は必要となります。また、その決定内容について議事録に記載する必要がございます。
※議事録への記載が無い場合、損金に算入できない等の影響がございます。

役員報酬は通常の従業員の給与とは様々な点で扱いが異なっております。変更される場合は定款の確認や税理士様への相談等も行った上で、漏れの無いよう必要な手続きを行うようにして下さい。
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公開日: 税務・税法 賃金

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