賞与回数を減らしたい!注意点は?

 業績賞与の支給頻度を年2回から年1回へ変更することを検討しております。
理由としては通期での利益達成を目指していくにあたり、規定も実態と揃えたい為です。
 現状の就業規則には、【支給する場合における時期は、原則として各賞与算定期間に対して第1半期を6月、第2半期を12月に支給する。】と記載しています。
変更にあたり、留意点等あればご教示ください。

回答

 まずは就業規則における賞与に関する規定を年1回の支給に変更することが必要です。
変更するにあたっては、変更後の就業規則を労働者に周知させ、労働者に対しての不利益の程度、変更する必要性、代償措置等を勘案し、従業員代表等と十分な協議を行ったか、といった点も含めて総合的な判断により、その変更に合理性(やむを得ないと思われる理由が存在すること)がなければなりません。

 今回は不利益変更に相当しうる為、従業員の方へ合意を頂く事が最も重要であり、変更内容、変更理由、必要性、不利益の度合い等の説明を行った上で就業規則の変更を行いましょう。
 変更に合意頂けない従業員がいらした場合でも、就業規則変更の届出に関しては変更内容に合理性があれば労働基準監督署へ提出すると受理頂け、労働者の労働条件は変更後の就業規則に定める労働条件によることとなります。
 しかし、就業規則変更を申し出るという「労基法」上問題ないという点と、この就業規則の変更が合理的なものであるか否かという「労働契約法」とは異なり、万が一従業員の方が個別で訴えをされた場合には裁判等の問題が発生する可能性もあります。
 このようなリスクを最小限にする為にも、出来る限り各個人にご納得頂けるよう、十分な説明や今後のご待遇を提示し、慎重に進めましょう。

 ちなみに、「就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分」については、合意の内容が就業規則で定める基準に達しない場合を除き、その合意が優先されることとなります。
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公開日: 賃金 賞与・退職金

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