退職後に死亡した人の源泉徴収票について

月末に退職した従業員が退職して10日後に亡くなりました。
当社では給与を月末締め、翌月25日支払いで支給しているため、給与の支払いが残っております。
死亡退職の場合、亡くなった後に支給された給与を源泉徴収票に含める必要が無いのは存じ上げておりますが、上記のような場合、25日に支給する給与は源泉徴収票に含める必要はありますか。
また、年末調整を会社で行う必要があるのでしょうか。

回答

ご質問の件につきまして、結論から申しますと、源泉徴収票に含める必要、年末調整を行う必要、ともに必要ございません。

従業員の方が亡くなられた場合、最後の給与については、支給日が亡くなられた日(死亡日)の前か後かによって扱いは以下のようになります。

①支給日が死亡日の前である給与 ⇒ 所得税課税対象となるため、源泉徴収票に含めます。
②支給日が死亡日の後である給与 ⇒ 所得税課税対象ではなく、相続遺産の対象となる為、源泉徴収票には含めません。

従業員の方が亡くなられた時、給与や賞与を本人の課税対象として源泉徴収票に含める必要があるかどうかは、ご退職された日に存命であったかどうか(死亡退職か否か)は関係なく、あくまで死亡日と支給日によって決定されます。
したがって、ご質問の場合のように亡くなられた後に支給日が到来した給与については源泉徴収票に含める必要はございません。

一方で、年末調整については、ご退職時に存命であったかどうか(死亡退職か否か)で扱いが変わります。
死亡時に年末調整が必要になるのは「年の途中で死亡退職した」場合です。したがって、ご質問のように退職時は存命で、その後に亡くなられた場合には年末調整を行う必要はございません。

従業員の方が亡くなられた場合、亡くなられた日に応じてお手続きの方法が変わってまいります。
遺族の方のお手続きにも関係いたしますので、お間違えの無いように取り扱い願います。
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公開日: 税務・税法 賃金

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