年末調整を振り返ろう! 給与担当者は知って損なし、確定申告への流れ

【はじめに】

2月になりますと、年末調整業務がひと段落して安堵されている担当者も多いのではないでしょうか。昨年の秋頃から、年末調整のアナウンスや説明を行い、申告書・証明書類を漏れなく回収する段取りをし、年末年始にかけては、年末調整の実施、給与支払報告書(以下、給報)や法定調書の作成・提出といった、一連の業務で、気が抜けない日々を過ごされたかもしれません。

そこで、無事に業務を終えられたことを踏まえ、今回は一連の年末調整業務を振り返りつつ、確定申告を絡めて解説していきます。特に、初めて年末調整に携わった担当者におかれましては、業務のおさらいをしつつ、年末調整から確定申告への流れや関わりを知っていただき、来年の参考となりましたら、嬉しい限りです。

1. 年税額・年調過不足額の確定後

ここでは、従業員から提出された申告書や証明書類に基づき、源泉所得税の「年税額」、「年調過不足額」を正しく計算した後の、ポイントとなる業務をおさらいしていきます。

1-1. 年調過不足額の調整

この調整とは、実際に給与・賞与から天引きしていた源泉所得税の年間合計額と、年末調整によって確定した「年税額」を比較して、差額(過不足額)が生じる際に行うものです。

 

※月次給与・賞与の天引き額の合計 > 確定した「年税額」 → 還付

※月次給与・賞与の天引き額の合計 < 確定した「年税額」 → 徴収

 

このような過不足額は、月次給与や賞与で天引きしている源泉所得税が「概算」であり、月次給与で扶養情報がリアルタイムに反映されていない、そもそも月次給与や賞与では考慮されない保険料控除や住宅借入金等特別控除がある等の事情によって生じます。

1-2. 還付・徴収の方法

給与支払者(=法人・個人事業主、以下同じ)の多くは、その年度の最終給与(稀に、賞与)の支給と同時に調整しているように思われます。俗に、12月支給給与で調整する場合を「12月還付」、1月だと「1月還付」といわれます。法的には、かならずしも給与・賞与との同時振込である必要はなく、別途(振込ではなく、手渡し)でも可能です。ただ、処理の煩雑さ、手数料、給与明細に年調過不足額も記載されると分かりやすい、徴収の可能性もあるので給与と相殺をした方が互い(給与支払者と従業員)にとって都合がよい等を考慮すると、その年度の最終給与・賞与との同時振込による調整が効率的といえます。

1-3. 源泉徴収票の交付

交付は給与支払者の義務であり、所得税法第226条で「(源泉徴収票を)翌年1月31日までに、1通を税務署長に提出し、もう1通を本人に交付する」とあるので、1月31日までに交付をしなければなりません。

源泉徴収票は、紙媒体に限らず、web等の電子媒体でも問題ありません。最近では給与明細のweb化が進んでおり、源泉徴収票も同じ方法で交付する給与支払者が増えていると思います。電子媒体のメリット・デメリットを挙げると以下のようなことが挙げられます。

 

※メリット

→ペーパレス化につながり環境に優しい。

→もし紙媒体が必要な場合は各人が印刷をすれば事足りることを踏まえると、

給与支払者の源泉徴収票の発送・再発行業務がなくなる。

 

※デメリット

→閲覧システムにログインできない可能性がある。

→システム上の障害、ログインIDやパスワード忘れ

→一般在籍者と異なる環境下の者(例:退職者、休職者、出向者等)に注意

 

担当者は、システムで閲覧・印刷できない従業員がいないかを確認し、紙媒体が必要となる場合は、忘れずに交付をしましょう。

1-4. 源泉徴収票の用途

年末調整をした給与支払者の給与しかない場合(ただし、年末調整で、書類の漏れや不備がないことを前提とする)、所得税の計算や調整(納税)は、年末調整だけで完結します。

源泉徴収票は、「確定申告」をする際に必要となります。詳細については、後述する別項目【確定申告】に譲るとして、2019年4月1日以降、確定申告の添付書類としての源泉徴収票は不要となりましたが、引き続き、源泉徴収票の「情報」は必要です。

現に国税庁のHPでは、「・・確定申告書を作成する際には引き続き給与所得の源泉徴収票が必要となりますので、税務署等へお越しになる際には忘れずにお持ちください。」との案内がされております。

 

確定申告の他に、収入を証明するものとして、源泉徴収票が必要となる場面があります。例えば、ローンを組むときや扶養に関する手続があります。紙媒体の源泉徴収票だけを交付されている場合は、提出する際にコピーを取ることをお勧めします。時には過去に遡って収入を証明するために、過去分の源泉徴収票の提出を求められることもありますので、過去分といえども大切に保管しておくとよいでしょう。

1-5. 源泉徴収票の種類

1-5-1. 「甲欄」・「乙欄」・「丙欄」

給与所得には、「甲欄」「乙欄」「丙欄」の3種類の源泉徴収票があります。

 

※「甲欄」

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(以下、扶養控除申告書)の提出があり、年末調整をしたものは「甲欄」となります。

 

<「甲欄」の特徴>

・「乙欄」項目にチェックが「されていない」。

・「給与所得控除後の金額」、「所得控除の額の合計」に金額が「入っている」。

・摘要欄に「乙欄」や「丙欄」、「年調未済」と記載されていない。

 

※「乙欄」

扶養控除申告書の提出がなく、年末調整をしていないものです。月次給与から天引きする源泉所得税は、「甲欄」と同様、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を用いますが、税率は「甲欄」と比べて高く設定されております。

 

<「乙欄」の特徴>

・「乙欄」項目にチェックが「されている」。

・「給与所得控除後の金額」、「所得控除の額の合計」に金額が「入っていない」。

→もし金額が記載されていたら、不適当なものと考えましょう。

原因としては「源泉徴収票の出力の仕方が誤っている」「誤って、システム上で年末調整の計算がされている」等が挙げられます。この点は後述する、期中退職時に発行される「退職時の源泉徴収票」も同じことがいえます。

・摘要欄に「年調未済」と記載されている場合がある。

・「乙欄」の理由としては以下のものが考えられ、確定申告を考慮する必要があります。

→主たる給与が他にある(2カ所以上給与)。

→他に給与はないが、扶養控除申告書を提出していなかった。

(確定申告によって、納めすぎた税金が還付される可能性があります。)

 

※「丙欄」

「甲欄」「乙欄」と異なり、「給与所得の源泉徴収税額表(日額表)」に基づき、給与から天引きする源泉所得税が決まります。

 

<「丙欄」の特徴>

・日雇賃金を支給され、2ヶ月以上連続して雇用しない者が対象です。

・摘要欄に「年調未済」「丙欄」と記載されている場合がある。

・「乙欄」と同様、年末調整はできないため、確定申告が必要となります。

1-5-2. 「年末調整をした源泉徴収票」と「退職時の源泉徴収票」

源泉徴収票は、年末調整後だけでなく、退職をした際にも交付されます。各々別物ですが、退職日や締日・支払日によっては、両者を兼ねる場合があります。例えば、12月退職で年末調整の対象となり、12月に支給される給与が最終となる場合です。

逆に、12月退職で年末調整を行ったとしても、1月(以降)に支給する給与があれば、それは翌年分の所得となり、「翌年分の源泉徴収票」(退職時の源泉徴収票)を別で交付する必要がありますので、注意が必要です。

 

※「年末調整をした源泉徴収票」

→「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」の項目に金額が入っている。

→翌月以降(翌年)の給与がない場合は、退職日も記載されている。

 

※「退職時の源泉徴収票」

→退職日が記載されている。

→「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の金額」が「入っていない」。

→摘要欄に「年調未済」と記載されている可能性がある。

→退職者が、給与所得が発生する職業に転職した場合、転職先に提出する必要がある。転職先での年末調整で使います。

→退職者がその年に他に所得がなければ、確定申告で還付される可能性がある。

→「源泉徴収税額」では、実際に天引きされている金額が記載されている。

(年末調整をしたものだと、確定した「年税額」が記載されている。)

1-5-3.「受給者交付用」と「税務署提出用」・「市区町村提出用(個別明細書)」

「源泉徴収票」には、「受給者交付用」の他に、「税務署提出用」があります。厳密にいうと源泉徴収票ではないが、内容がほぼ同一の「市区町村提出用」(個別明細書)も、ここで説明します。「税務署提出用」は法定調書、「市区町村提出用」は給報の添付書類となります。

 

※「受給者交付用」と「税務署提出用」・「市区町村提出用」の違い

「受給者交付用」→ マイナンバーの記載がない。

「税務署提出用」・「市区町村提出用」→ マイナンバーの記載がある。

 

※「税務署提出用」と「市区町村提出用」の違い

各々の役所で必要な情報による違いが見受けられます。

「税務署提出用」→ 16歳未満の扶養親族のマイナンバーは不要

「市区町村提出用」→ 16歳未満の扶養親族のマイナンバーは必要

1-6. 源泉所得税の納付

「年税額」・「年末調整過不足額」を、給与支払者からみると、納付(納税)という業務があります。給与から天引きする源泉所得税は、従業員からの預かり金となります。給与支払者には、預かった源泉所得税を、従業員に代わって納付する義務があります。

毎月の源泉所得税は、翌月の10日までに納める必要があります(10日が土日祝日だと、後ろ倒しになります)。例外として、源泉所得税の納期の特例を受けている給与支払者は、半年に1回(1月~6月分の源泉所得税は7月10日までに、7月~12月分は1月20日までに)、納めることになります。

毎月の納付は、年末調整に限ったことではなく、給与があれば発生する業務ですが、年末調整後の納付については、例月と異なった注意が必要となります。

年末調整において、各従業員の年調過不足額の合計額をみたときに、還付の総額が多い(差し引きして、マイナスとなる)場合は、「給与、退職所得及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われた報酬・料金に対する源泉徴収税額」から差し引きます。給与所得の源泉所得税だけから差し引かれるわけではないことに注意しましょう。

還付額が多額であれば、源泉所得税の納付額が例月よりも少額、場合によっては0円となります。0円となっても、なお、マイナスが生じる場合は、翌月に繰り越します。12月還付で還付額の方が多額の場合は1月10日納期限分のものに充てて、それでも充てきれない(マイナスが残る)場合は2月10日納付分でも充てるということになります。

2. 給報

2-1. 給報とは?

地方税法第317条の6に根拠があり、来年度の住民税額や国民健康保険料の計算の基礎となるものです。各従業員の1月1日時点の住民票住所の市区町村に報告書を送付(または電子申請)することになります。1月1日時点で日本国内に住所を有さない従業員には、住民税は課税されず、たとえ本年中に国内に住所を有するに至った場合でも、課税はされません。

2-2. 「総括表」と「個別明細書」

給報は、「総括表」と「個別明細書」からなります。

 

※「総括表」→ 提出する市区町村ごとに、会社情報(指定番号等)や社員情報(受給人数、特別徴収・普通徴収の内訳等)を記載する。

※「個別明細書」→源泉徴収票の情報からなります。

2-3. 「特別徴収」と「普通徴収」

給報の情報のひとつに「特別徴収・普通徴収の別」があります。これは今後、給与担当者にとって重要になってきますので、確認をしておきましょう。

 

※「特別徴収」

→ 住民税を給与から天引きして、給与支払者が、その個人に代わって各市区町村に納付をするものです。「会社が代わって納める」という点は、源泉所得税と同じですが、住民税の方は税額がすでに確定しております。すなわち、住民税は昨年分の所得から税額が計算されるため、当年の年末調整で税額が確定する源泉所得税とは異なります。住民税は原則、確定している年税額を12分割した税額を毎月の給与から天引きして、毎月納めることとなります。〇月分の住民税は、〇月の翌月10日までに納付します(10日が土日祝日だと、後ろ倒しとなります)。

 

※「普通徴収」→ 個人自らが住民税を納付する方法です。

 

給報では、従業員全員を特別徴収となるように報告するのが原則です。例外として、退職予定、休職中、主たる給与が別にある者等については、「普通徴収」で報告をします。

2-4. 給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書

例えば、期中で入社して、住民税を特別徴収に切り替えていない従業員がいる場合、今回の給報提出によって、6月から特別徴収に切り替わって、給与から天引きされることになります。現在の給与から、いきなり特別徴収に変更となるわけではありません。

給報は6月分からの報告となりますので、退職予定で「普通徴収」としている場合も注意が必要です。すなわち、提出後ただちに「普通徴収」となるわけではないので、別途、異動届を提出することになります。

1月1日以降の退職の場合、特別徴収の継続がなされない限り、原則として「特別徴収の一括」をしなければなりません。この手続も給報ではなく、異動届を提出し、かつ、給与からしっかりと一括徴収分の住民税額を天引きすることを忘れないようにしましょう。

 

提出された給報に基づき、各従業員の住民税額が計算されて、各市区町村から税額決定通知書(特別徴収義務者・納税義務者用)が5月頃、事業所宛に届きます。6月分の住民税から反映されます。

2-5. 対象者(提出範囲)

「年間支払額が30万円以下の退職者」は、法的に、報告(提出)義務がないのですが、市区町村によって運用が異なるようで、問い合わせがある可能性は否めません。そのため、全員分を報告しておくことをお勧めします。

なお、国税庁のHPでは、「また、市区町村へ提出する「給与支払報告書」は、税務署への「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と異なり、全ての受給者の給与支払報告書を、受給者のその年の翌年の1月1日現在の住所地の市区町村に提出します。」との記載があります。

3. 法定調書

3-1. 法定調書とは?

「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」及び「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」(国外送金等調書法)の規定により、税務署に提出が義務付けられている資料をいいます。法定調書は約60種類あり、合計表と添付書類となる源泉徴収票等で構成されます。

給与・年末調整担当者になじみがあるのは「給与所得の源泉徴収票合計表」や「退職所得の源泉徴収票合計表」、非居住者を扱っていれば「非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書合計表」が挙げられます。

他には、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表」、「不動産の使用料等の支払調書合計表」、「不動産等の譲受けの対価の支払調書合計表」、「不動産などの売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書合計表」というものがありますが、正直なところ、給与部門にはなじみが薄いかもしれません。

3-2. 法定調書の目的

法定調書には、税務署が金銭の流れを把握して、脱税や申告漏れを防止することに役立てる、という目的があります。例えば、給与支払者から、法定調書として源泉徴収票(税務署交付用)が提出され、他方で、確定申告をする従業員は、それと同内容の源泉徴収票(受給者交付用)を用いて申告を行うはずで、もし、異なる情報で申告しようものならば、相違が発覚する、ということです。給与所得者に限らず、報酬を受けている者には「支払調書」が交付されて、上記と同じ効果をもたらします。

給与・年末調整担当者としては、正確な年末調整を行い、それに基づく給与所得の支給額、税額、対象となる支給人数や源泉徴収票を提供していれば、特に問題ないので、難しく考えないようにしましょう。

3-3. 「給報」との比較

ここでは、法定調書を給報と比較して、理解を深めていくことにしましょう。

 

※提出先

「法定調書」→ 所轄税務署

「給報」→ 各市区町村

 

※対象者(給与所得の源泉所得税)

「法定調書」

→ 年末調整をしたもの・・(抜粋)役員及び特定の士業に該当しない一般従業員の在籍者で給与支払額500万円超

→年末調整をしなかったもの・・(抜粋)役員に該当しない退職者で給与支払額250万円超、在籍者で給与支払額2,000万円超

 

「給報」→ 「30万円以下の退職者」以外

4. 確定申告

4-1. (所得税及び復興特別所得税の)確定申告とは?

1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税及び復興特別所得税の額を計算し、申告期限までに申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続となります。

4-2. 年末調整との比較・関係

「過不足を精算する」という点は年末調整と共通ですが、年末調整は「全ての所得」が対象ではなく、給与や賞与といった「給与所得」のみとなります。給与・賞与には、前職分も含みますが、扶養控除申告書が提出されたもの(甲欄)しか、年末調整ができないため、「前職の乙欄・丙欄の源泉徴収票」分は確定申告となります。

両者は、二者択一の関係ではなく、給与所得分だけを給与支払者に年末調整をしてもらい、その源泉徴収票に基づいて、他の所得と合わせて確定申告を行うということもありえます。例えば、事業をしている者が、副業で勤務をして給与をもらっている場合に、給与支払者に保険料控除証明書等を提出して年末調整をしてもらい、その情報(源泉徴収票)と事業所得を確定申告するという形です。

 

以下では、年末調整との比較をして、確定申告の説明をしていきましょう。

 

※対象となる所得

「確定申告」→ 全ての所得

「年末調整」→ 給与所得のみ(前職分を含める)

 

「所得」は、所得税法によって、「利子所得」、「配当所得」、「不動産所得」、「事業所得」、「給与所得」、「退職所得」、「山林所得」、「譲渡所得」、「一時所得」、「雑所得」の10種類に分類される。厳密にいうと、確定申告が不要な所得も一部含まれますが、給与所得のみを取り扱う年末調整と比べれば、対象となる範囲は広いです。

 

※期間(申告期間)

「確定申告」→例年は、2月16日~3月15日での申告及び納税となります(※還付申告は、1月1日から5年間)。

2021年はコロナ禍のため、4月15日まで延長されました。

 

「年末調整」→ 年末年始(12月還付・1月還付)

 

※手続を行う主体

「確定申告」→ 個人

「年末調整」→ 給与支払者

 

※申告・納税方法

「確定申告」→ 自身による申告・納税

「年末調整」→ 源泉徴収

 

所得税は原則、個人が自分で申告をして納税するもの(申告納税制度)ですが、年末調整は、給与支払者が計算・調整を行い、個人に代わって、所轄税務署に納税する方法(源泉徴収制度)が採用されています。

4-3. 確定申告が必要な従業員

確定申告は各個人が行うもので、給与支払者は手続に関わりませんが、確定申告が必要な従業員、した方がよさそうな従業員に対して、確定申告を忘れずに行うよう、案内しておくとよいでしょう。

 

※年収2,000万円超

→他に給与がなく、扶養控除申告書を提出した甲欄だとしても、年収2,000万円超の従業員は、年末調整の対象外となります。もし、年末調整の際に、保険料控除証明書等が提出されていたら、確定申告のために書類を本人に返却してあげましょう。

 

※2カ所以上給与

 

※前職の源泉徴収票が「乙欄」または「丙欄」

→年末調整の対象となる給与所得は「甲欄」のみとなるため

→2カ所以上給与とは、「在籍期間が重なっていない」点で異なる。

 

※給与所得以外に所得がある場合

4-4. 確定申告をした方がよい従業員

ここでは、確定申告は義務的ではないが、申告をすれば税金が戻る可能性が高い例を挙げていきます。

 

※12月31日までに配偶者控除・扶養控除額が高くなる事由が発生したが未申告だった。

→源泉控除対象者となる配偶者と結婚した

→税法上の障害者に該当した、障害の等級が上がった(一般 → 特別)

 

※年末調整で提出し忘れた、各種保険料控除や住宅借入金等特別控除の書類があった。

→生命保険料・地震保険料控除だと、控除額の上限に達していると意味がない。

→社会保険料控除は全額控除対象なので、還付が発生する可能性がある。

→住宅借入金等特別控除は年末調整の時点で、年税額が0円であれば関係がない。

 

※2カ所以上給与ではなく扶養控除申告書が未提出だったために「乙欄」になった者

→「乙欄」は「甲欄」よりも税率が高く設定されているため、確定申告をすると納めすぎた税金が還付される可能性は高いです。

 

※確定申告で受けられる(年末調整では受けられない)控除を受けたい場合

→医療費控除、寄付金控除(ふるさと納税)、雑損控除

→1年目の住宅借入金等特別控除

※住宅借入金等特別控除は2年目以降だと、年末調整でも行えますが、1年目は確定申告が必要となります。

【最後に】

今回は、年末調整業務から確定申告についての解説をしました。給与担当者として、業務に直接的な関りがない部分もあったと思いますが、知っていて損はなく、周辺業務を知ることは自身の業務を深化させることにつながるはずです。

年末調整業務が落ち着いたこの時期に、改めて業務を振り返りつつ、今後に向けてまた頑張っていきましょう。

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