2020年4月変更あり!年齢別社会保険手続きをおさらい
社会保険は年齢の節目ごと「40歳・60歳・64歳※・65歳・70歳・75歳」に主な手続きが発生します。
年齢ごとに必要となる手続きを把握したうえで、毎月その年齢に到達する従業員を確認し、漏れがないように社会保険手続きや給与計算していくことが重要です。
そこで、4月からの変更も踏まえて人事労務担当者が知っておくべき社会保険手続きをおさらいしていきましょう。
目次
年齢別の社会保険手続き
40歳:介護保険料控除開始
◆いつ
40歳到達日(誕生日前日)に介護保険第2号被保険者となります。
◆手続き
手続きは不要です。
◆給与計算
40歳到達月(誕生日前日が属する月)分から健康保険料と合わせて介護保険料の控除を開始します。
60歳以上:①高年齢雇用継続給付開始、②社会保険同日得喪手続
①高年齢雇用継続給付開始、60歳到達時の賃金登録
雇用保険被保険者の60歳到達月から65歳到達月までに受ける賃金が60歳到達時の75%未満のときに受給できます。
定年再雇用だけではなく、60歳以上で新たに入社した場合も対象です。高年齢雇用継続給付金が支給されている間は、在職老齢年金は一部減額される場合があります。
◆手続き
60歳に到達したら「雇用保険被保険者六十歳到達時賃金証明書」「高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書」等をハローワークに提出します。
60歳到達時点で被保険者期間が5年未満の場合は、5年に到達した時点で登録できるようになります。月単位で申請するので、月の途中で雇用保険の資格を喪失した場合は、その月から高年齢雇用継続給付の支給申請はできません。
②社会保険(健康保険、厚生年金保険)同日得喪手続
60歳以上で定年退職や契約更新をした後に1日も空けず再雇用された場合は同日得喪の手続をすることが可能です。
同日得喪は標準報酬月額を再雇用後の給与に合わせられるので、保険料が安くなる反面、将来の年金額や傷病手当金などの給付額が少なくなります。
◆手続き
健康保険組合や年金事務所に資格喪失届と資格取得届を提出する際、「就業規則」と「雇用契約書」の両方(退職日と継続再雇用を確認できる書類等)を添付します。それまでに使用していた健康保険被保険者証も回収します。
64歳:雇用保険料免除 ※2020年4月より保険料免除なし
現在、保険年度の初日4月1日時点で満64歳以上の高年齢被保険者(4/1から翌年3/31に65歳になる人)は4月分から事業主と従業員負担分ともに雇用保険料は免除されています。
➡ところが、2020年4月から高年齢被保険者の雇用保険料の免除がなくなり、全被保険者から保険料徴収するようになります。
現在免除となっている従業員から4月分の雇用保険料の控除を忘れないよう気を付けてください。
東京労働局「労働保険高年齢労働者に係る雇用保険料の免除措置終了のお知らせ」
65歳:①介護保険料控除終了、②高年齢雇用継続給付終了、③被扶養配偶者は第1号被保険者へ
①介護保険料控除終了
◆いつ
65歳到達日(誕生日前日)に第1号被保険者になります。
◆手続き
手続きは不要です。市区町村から納付書が自宅に郵送されます。原則年金から天引きされます。
◆給与計算
65歳到達月(誕生日前日が属する月)分の介護保険料から、控除せず健康保険料とは別に個人で納付します。
②高年齢雇用継続給付終了
65歳到達月分まで支給申請できます。
③被扶養配偶者は国民年金第1号被保険者へ
◆いつ
65歳到達日(誕生日前日)に従業員は国民年金第2号被保険者ではなくなるため、20歳以上60歳未満の被扶養配偶者がいる場合は、配偶者は国民年金第3号被保険者から第1号被保険者となります。
◆手続き
市区町村窓口や年金事務所で配偶者本人に手続きしてもらってください。
70歳:厚生年金資格喪失手続、厚生年金保険料控除終了
◆いつ
70歳到達日(誕生日前日)に厚生年金保険の資格を喪失すると同時に厚生年金保険70歳被用者となります。
◆手続き
手続きは原則不要ですが、70歳到達時点の報酬月額が直近の標準報酬月額と異なる場合、年金機構から送られてくる「70歳到達届」を提出します。
※70歳以降も報酬額によって在職老齢年金の支給額が調整されるため、算定基礎届、月額変更届、賞与支払届の提出は必ず行います。
◆給与計算
70歳到達月(誕生日前日が属する月)分から厚生年金保険料は控除しません。
75歳:健康保険資格喪失手続、健康保険料控除終了
◆いつ
75歳の誕生日当日に、それまで加入していた健康保険の資格を喪失し、自動的に後期高齢者医療制度へ加入することになります。
※これまで紹介した社会保険手続きとは異なり、75歳到達日(誕生日前日)ではなく「誕生日当日」での手続きとなるのでご注意ください。
◆手続き
「健康保険被保険者資格喪失届」と健康保険証と高齢受給者証を添えて健康保険組合等に提出します。新しい健康保険証は自宅に届きます。75歳未満の扶養家族(以下、被扶養者)がいる場合は、被扶養者は新たに国民健康保険等に加入する必要があります。被扶養者は市区町村窓口での手続きが必要です。
◆給与計算
75歳誕生日の属する月分から健康保険料を控除しません。
その他
70歳以上の従業員を新規雇用する場合
75歳までは会社の健康保険に加入できます。「健康保険被保険者資格取得届」と「厚生年金保険70歳以上被用者該当届」を健康保険組合・年金事務所に提出する必要があります。
70 歳以上の従業員が退職する場合
70 歳以降も継続して勤務していた者が退職する際は、「健康保険被保険者資格喪失届」を健康保険組合等に提出するだけでなく「厚生年金保険70 歳以上被用者不該当届」も忘れずに年金事務所へ提出します。
被扶養者が75歳に到達した場合
従業員が75歳になったときと同様に被扶養者は扶養から外れて後期高齢者医療制度に加入することになります。「健康保険被扶養者(異動)届」と合わせて健康保険証と高齢受給者証を添付して健康保険組合または年金事務所に提出します。
社会保険料の控除タイミングについて
健康保険及び厚生年金保険料
健康保険、厚生年金保険料(以下、社会保険料)を給与からの控除する方法は、「翌月控除」と「当月控除」の2通りがあります。会社によって控除のタイミングは異なるので会社のルールに合わせてご対応ください。
- 翌月控除:その月に支払う給与から前月分の社会保険料を控除します。例えば4月に支払う給与から3月分の社会保険料を控除します。
- 当月控除:その月に支払う給与から当月分の社会保険料を控除します。例えば4月に支払う給与から4月分の社会保険料を控除します。
雇用保険料
雇用保険料については、給与を支払う都度控除します。資格取得した月に支払う給与がある場合、その月の分の雇用保険料を控除します。
まとめ
年齢ごとに発生する社会保険手続きについて紹介してきました。特定の年齢で社会保険手続きがあることはわかっていても、手続きのタイミングが分かりにくいかもしれません。給与に影響するところですので、忘れず慎重に確認を行ないましょう。
また、2020年4月から雇用保険料は全年齢の被保険者から控除することになります。雇用保険料を負担することになる高年齢労働者には、事前に雇用保険料を控除するようになることを周知しておきましょう。
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