【テレワーク】今からでも間に合う! 制度導入時に活用できる助成金
この記事では、テレワーク制度についての説明と、制度導入時に活用いただける助成金制度の紹介をします。働き方改革の気運が高まり、2020年東京オリンピック開催が迫る中、テレワークという就労形態への注目が高まっています。企業が雇用する社員に広くテレワークを活用してもらうためには、制度を整備し就労環境を整えることが重要となります。制度整備や、導入経費にかかる助成制度を活用し、働きやすい会社作りへ役立てましょう。
目次
テレワークとは
テレワークの定義
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
一般社団法人日本テレワーク協会『テレワークとは』
https://www.japan-telework.or.jp/intro/tw_about.html
いわゆるSOHOといった自宅勤務の個人事業主のみを指すのではなく、勤務形態(自営業、被雇用、あるいは副業)、勤務場所(自宅勤務、場所を限定しないモバイルワーク)、頻度(就労の全部、あるいは一部分のみ)等の分類によって、様々の働き方を含む就労形態がテレワークです。昨今は企業のサテライトオフィス、コワーキングスペースの活用によって、会社に雇用される労働者も、就業場所を限定せずに就労できる機会が増えています。
2020オリンピック、働き方改革とテレワーク推進の関係
2020年の東京オリンピック開催にて予想される交通混雑の対策として、テレワークの一斉実施は必要不可欠と位置づけられており、各省庁・自治体ほか関係団体による呼びかけが進められています。特に混雑が見込まれる推奨期間に対してはデレワーク・デイと称し、今年2019年度には3,000団体のテレワーク取組みへの参加を推進しています。
また重要政策のひとつである働き方改革に関連して、生産性・ワークライフバランスの向上に寄与する就労形態であるして、テレワーク制度への企業の注目は高まっています。
世間の導入状況
今年3月に公表された国土交通省のテレワーク人口実態調査では、テレワーカーの割合につき雇用型就業者にて16.6%、自営型就業者にて24.0%と、前年から2%程の上昇傾向にあることが示されました。雇用型就業者うち、勤務先のテレワーク制度等に基づいて就労しているテレワーカーの割合は10.8%でした。テレワークという働き方を行う人の割合が年々上昇していることを国土交通省は示しており、また、被雇用者のテレワーク活用の拡大において会社によって制度を整備されることが重要となることが伺えます。
国土交通省『「テレワーク」を活用して働く人の割合、年々上昇しています!~平成30年度テレワーク人口実態調査結果を公表します~』
http://www.mlit.go.jp/report/press/toshi03_hh_000045.html
テレワーク導入に活用できる助成金
助成金制度の実施主体は、厚生労働省や経済産業省等の各省庁、主に東京都を主とする地方自治体、企業の互助団体等があります。
多くの助成金制度におおよそ共通する流れとして、制度導入後の目標の設定、必要経費の見積もり、助成金の申請届出、制度の導入実施、効果測定と報告といった手順を経て、経費助成を需給することとなります。
経費の助成を受けることが出来る対象については、コンサルタント費用、サーバー等の機器・ソフトウェアの導入費用等がありますが、パソコンやスマートフォンの購入を助成の対象外とする制度も多く有りますので、見積りの際に注意が必要です。
今回の記事では、いまからでも申請に間に合う助成金を、2つご紹介します。
(1)東京都産業労働局雇用就業部「働き方改革宣言奨励金」
・概要:東京都の中小企業を対象に、従業員の長時間労働の削減・有給休暇等取得促進に向けた取組みに対して助成し、働き方改革を促進することを目的としている。厚生労働省ポータルサイトの自己診断と、診断結果に基づく取組みの設定・周知を実施して、都の承認を受けると30万円の奨励金が支給される。
・最大助成額:最大70万円
・取組みの具体例:「働き方改革宣言事業(必須)」厚生労働省ポータルサイトの自己診断結果に基づく対策の設定と社内周知。「制度整備事業(任意)」テレワーク制度、リフレッシュ休暇制度等について労使協定締結と社内規定へ明文化。
・2019年度の申請期限:2019年10月8日(9月6日と10月8日に事前エントリーを受付)
TOKYOはたらくネット『働き方改革宣言奨励金』
https://www.hataraku.metro.tokyo.jp/hatarakikata/kaikaku/josei/
(2)厚生労働省「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」
・概要:中小企業を対象に、時間外労働等の設定の改善を推進することを目的として、テレワークに取り組む事業主へ助成金を支給するもの。テレワーク取組みの対象労働者数に応じて上限額と補助割合が決定され、「テレワークの実施日数週平均1日」等の所定の成果目標3つを達成すると、最大で経費の3/4が助成対象となる。
・最大助成額:150万円
・取組みの具体例:外部専門家によるコンサルティング、テレワーク用通信機器の導入・運用、就業規則・労使協定等の作成・変更、労務管理対象者による研修、労働者に対する研修・周知・啓発など
・2019年度の申請期限:2019年12月2日
厚生労働省『時間外労働等改善助成金(テレワークコース)』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisikitelework.html
まとめ
労働者のワークライフバランスに寄与するためだけでなく、生産性の向上や経費削減の観点からも、働き方の見直しはますます重要な取組みとなっています。テレワークは就労形態のひとつですが、2020年オリンピックを前に、有効な施策として特に注目が高まっている働き方です。各省庁・自治体の助成制度が増えているこの機会に、是非制度の導入をご検討されてはいかがでしょうか。
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