退職合意書の作成は義務なのか?

当社にて70歳のパート社員を尞の清掃スタッフとして11月に雇用し、6か月の雇用契約を結んだのですが、前任者より能力的に劣る点、当日朝に事前に電話連絡があるものの遅刻が多い点などから、話し合いのうえ、雇用契約期間の途中ではありますが、1月末で契約を終了することになりました。2か月分の平均賃金を退職慰労金として支払うことで1月末退社で合意して貰っていますが、何か合意書を交わした方が良いのでしょうか?

これが解雇に当たるのか、退職勧奨に当たるのか、判断が付かないのですが、こういった場合、解雇に関する退職合意書のようなものを作成しなければならない義務はあるのでしょうか?

回答

今回のケースにおいては、まず「解雇」と「退職勧奨(合意退職)」の違いから整理します。

「解雇」は、会社が一方的に雇用契約を終了させるもので、労働基準法第20条の解雇予告や、労働契約法第16条の「合理的な理由と相当性」が求められるなど、法律上の制約があります。さらに、有期契約の場合は労働契約法第17条により、期間途中での終了には「やむを得ない事由」が必要とされ、慎重な判断が必要です。

一方、「退職勧奨」は、会社から退職をお願いし、ご本人が納得して同意することで成立するもので、双方の合意による契約終了という位置づけになります。
実務上は、「会社から話をしたかどうか」だけでなく、ご本人が無理なく納得して判断できたかどうかが大切なポイントになります。

今回のケースでは、会社から契約終了の申し入れを行っているものの、2か月分の平均賃金の支払いを条件に、ご本人が退職に同意していることから、「合意退職」と整理するのが一般的です。

また、就業規則には通常、解雇事由や退職事由が定められていますが、合意退職に関する書面作成の義務までは規定されていないことが多く、法律上も退職合意書の作成義務はありません。

ただし、契約期間の途中での終了であることも踏まえると、後日の認識の相違やトラブルを防ぐため、退職日や支払内容、ご本人の同意を明確にした書面を取り交わしておくことが望ましいといえます。

したがって、退職合意書の作成は義務ではありませんが、実務上は作成しておくことをおすすめします。

厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/keiyakushuryo_rule.html
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