「扱いづらいな・・・」そんな部下達を適材適所で活かす!~ワカモノケアをはじめましょう~【その5】
上司がチームマネジメントを円滑に遂行するにあたって、誰を右腕にするべきか?
今回は、チーム内キーパーソンの見つけ方と活用方を考えます。
■チームに欠かせない、上司の右腕
チームマネジメントを円滑に遂行するために、上司はその味方となる「右腕」つまりチーム内キーパーソンを探さなくてはなりません。
今の時代において、上司VS部下全員というような、上司=「孤高」の存在では、チームを上手く運営することは困難と言えます。
■チーム内キーパーソンの見つけ方
チームメンバーの誰がキーパーソンであるか?上司はその存在を正確に、また素早く見つけなくてはなりません。
その見つけ方について下記に整理します。
① 業務中というより、業務外で他のメンバーから慕われている存在
(業務成績はあまり良くないことが多い)
② 経験は一定以上に積んでいるので、業務知識やスキルは持っている
(ベテラン層であることが比較的多い)
③ 親分肌のタイプが多く、しばしば上司に反抗的な態度を示す
上記のタイプがチーム内キーパーソンである傾向が強いと思われます。
決して個人業績が良い訳ではないが、なぜか後輩に慕われているような先輩。
一般的に面倒見が良い彼らは、業務外(例えばアフターファイブや休日など)でコミュニケーションを取ることで、チームメンバーにとっての良き理解者、兄貴分的な存在となっていきます。
皆さんの職場にも思い起こす人がいるのではないでしょうか?
■チーム内キーパーソンの3つの活用方(対応方)
一方上司は、業務成績の良い部下をかわいがる傾向があります。
例えば、営業チームであれば、営業成績さえよければ、日頃の素行に多少問題があるとしても大目に見てしまうというもの。
私も営業マネジャーとして現場で指揮していた当時はそのような傾向はありました。
しかし、この振る舞いは、チーム内キーパーソンにとってすれば、「えこひいきをする上司」と映ります。やがて彼らは、反上司網を築いていきます。
では一体どのようにして彼らに向き合えばよいのでしょうか?
3つの活用方(対応方)をご紹介しましょう。
① チームメンバー(特に若手)の育成係として任命する
チーム内キーパーソンは「エリート」ではなく、むしろ苦労人が多いことから、若手の良き理解者となります。エリート街道を歩んできた上司自身や、業務成績の良い部下よりもメンバー目線に立った育成が出来ることが強みです。
② チーム内ミーティングのファシリテーター(進行役)を任せる
朝礼や営業会議など、チーム内で開催するミーティングは上司が一方的に伝達する場面が多く、それが結果的に上司VS部下全員の構図を作り出してしまいがちです。
それを回避し、ミーティングを双方向の参加型方式にしていくために、日頃から人望の厚いチーム内キーパーソンをファシリテーター役にすることはとても有効だと考えます。
③ 中長期的な目標を持たせ、それを実現するためのサポートを積極的に行う
チーム内キーパーソンは比較的ベテラン層が多く、ややもすると中長期の目標を見失っている人も少なくありません。
彼らに中長期的な夢や目標を抱かせ、それを周囲に公言し、上司が全面的にサポートする姿勢を見せることで、他のメンバーを刺激し、チーム全体に未来志向を兼ね備えた、活気ある雰囲気を醸成します。
■チーム内キーパーソンはチームを活性させる大きなリソース
職場環境や雇用形態も大きく変化する昨今、年上の部下を持つことも珍しいことではありません。
チーム内に対抗勢力を作り、上司と対立する危険もあるチーム内キーパーソン。
彼らを、チームマネジメントをする上での「阻害要因」とするのではなく、チーム活性化の大きなリソースとして活用することで組織力を最大化しましょう。
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