「22卒」約8割が内定持ち『2021年7月1日時点 内定状況まとめ』
内々定取得率は6月末で8割。取得率推移は2020年卒の水準に戻っている。
株式会社マイナビが2022年卒の学生に向けて行った調査によると、内々定取得率は4月で4割、5月で6割、6月末では少なくとも7割を超える結果となった。これはコロナ禍で選考スケジュールが後ろ倒し傾向にあった2021卒前の2020卒の水準に戻っていると言える。
2020年卒と比較して大きく異なるところといえば、3月末時点の内々定取得率だ。2020年卒が3月末に12%程度だったのに対し、2022年卒は21%も取得をしている。(マイナビ社調査より)選考の早期化が進められている実態が浮き彫りとなった。
以下、マイナビ、ディスコ、リクルートの3社の内定状況調査について記載する。
目次
『マイナビ2022年卒大学生活動実態調査(6月)』(2021年7月):マイナビ
2022年3月卒業予定の全国大学生、大学院生を対象に、6月末時点の就職活動に関する調査を行った。(調査時期:2021年6月24日~6月30日、回答数:5,051人)
<内容>
・2022年卒業予定の大学生・大学院生の6月末時点での内々定率は73.5%(前年比8.4pt増)。
引用:「マイナビ2022年卒大学生活動実態調査(6月)」内々定率 経年比較
『キャリタス就活2022 学生モニター調査結果』(2021年7月):ディスコ
2022年3月に卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2 年生含む)を対象に、7月1日時点の就職活動に関する調査を行った。(調査時期:2021年7月1日~5日、回答数:1,200人)
<内容>
・内定率は80.1%。コロナ前の2020 年卒(84.0%)を3.9 ポイント下回る。
・就職活動終了者は全体の67.4%。継続者は32.6%
・企業セミナー参加社数は前年より2 社以上増加(13.9 社→16.1 社)。活動量は増加。
・「WEB面接」は97.9%が経験。「WEB 面接」に肯定的な学生は9 割超(93.0%)。「自己PR 動画」「録画面接」は反対派が多数。
引用:キャリタス就活2022 学生モニター調査結果
『2021年7月1日時点内定状況 就職プロセス調査』:リクルート
2022年卒業予定の大学生および大学院生を対象に「就職プロセス調査」を実施した。(調査時期:2021年7月1日~2日、回答数:1,397人)
<内容>
・就職内定率は80.5%で依然として高い水準で推移。
・志望進路は関東・中部・近畿以外の地域にて「公務員」志望が増加。
引用:就職志望者における就職内定率の推移 大学生_全体(就職志望者/単一回答)
3社調査比較
各社保有媒体の登録学生の性質によるためか、数字に差がみられる。
ディスコ社運営の「キャリタス」の学生は、早期の内定保有率が高い状況である。マイナビ社運営の「マイナビ2022」は、短大卒や専門卒の登録が他2社と比べ若干多いことが影響しているのか、他2社と比較し、10%~20%ほど低い。
いずれにしても7~8割が既に内定を取得している状況である。
活動状況についても、リクナビ社は7月1日時点にて33.4%が活動継続(同調査「就職活動実施率(全体)」)、対してマイナビ社では6月末時点で45.9%が活動継続(同調査「就職活動継続意向」)と回答している。
媒体によって学生の活動状況に若干の差があるようだ。
「早期化」の実態が浮き彫りに/2023年卒採用に向けて
6月末時点での内々定取得率については、2020年の水準より少し劣るがコロナ禍前の水準に戻っている。企業側のオンライン選考のノウハウがストックされたため、コロナ禍の選考スケジュールへの影響はほぼ消滅したと言えよう。
注目すべきは3月・4月時点での内定取得率である。コロナ禍にてインターンシップの開催が難しかった2022卒だが、前年2021年から僅かに増加している。
近年卒業年前々年(対象学生が3学年)8月時のインターンシップ開催がどんどん一般化しているため、学生側の意識も、説明会で企業選びを行うのでなく、インターンシップで企業調査を行い、絞り込んでから説明会に参加する、という流れができている。
学生総数が年々減少する中、優秀かつ自社にマッチする学生を採用するには、インターンシップの開催なしには実現が難しくなってきている現状がある。
また、選考のオンライン化も普及し、WEB面接を経験した2022卒の学生は98%ほどの状況だ。オンライン選考を全く行わない企業は採用市場で戦っていくことは難しいだろう。
オンライン選考及び早期化に対応する中で、いかに自社を理解してもらい、マッチする学生を見つけるか、という点が今後の新卒採用活動の肝となるだろう。
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