【採用の質の向上】組織・企業が欲する人材の獲得のために『求める人物像』を見直しましょう!

『せっかく採用して入社したのに、1週間で辞めてしまう・・・』

 

『有料媒体を使ってたくさん求人広告を出していて、

「未経験者歓迎!」「高給にて優遇!」等の魅力的なワードを打ち出しても人が集まらない』

 

『応募者が集まりはするけど志望動機が全く感じられない』

 

『若い人は自社の企業理解が浅い。選考に進んでから企業の事業内容を理解するとは・・・』

 

『「何故こんな人を採用したの?」と言われた』

 

これらはすべて、採用活動におけるミスマッチです。こういったミスマッチを減らすため、

まず最初にやらなければならない事は、その組織・企業が求める人物像の明文化、もしくは既存のものの見直しです。今回は『求める人物像』の設定についてまとめていきます!

 

 

求める人物像を明確にすることで何が得られるか

求める人物像を明確にすることには、「採用におけるミスマッチを防止する」

という大きな目的がありますが、求める人物像を明確にすることによって、その他にも効果が期待できます。

 

 効果的な求人内容を掲載できる

まず、「求める人物像」を明確にすることで、より効果的に求人を出すことができます。

よりターゲットを絞った求人内容にすることによって具体的にアピールすることができ、

そのターゲットにあたる人材に響く内容で求人を出すことができます。

 

より平等に、効果的に審査ができる

「求める人材」、つまり、活躍できる人材が共通して持っている特徴を分析・明文化し、関係者間で共有することで、選考官によって選考基準がブレることがなくなります。また、明文化することで判断する項目が明確になり、その項目をチェックするためには面接が良いのか、それとも適性検査が良いのか、というように、より効果的な選考方法を考えることができます。

つまり、「求める人物像」を明文化することで、「求める人材」かどうかを平等に、効率的・効果的に判断できるようになっていくのです。

 

具体的な承認は、学生に対してもポジティブに作用する

判断項目や基準を明確にすることによって、学生に対して、基準に沿った具体的な承認を行えるようになるので、学生の動機づけが、より強化されていきます。学生としても、自分自身がその会社と合うかどうか判断しやすく、後々のミスマッチを防ぐことにもつながっていきます。

 

「求める人物像」の設定は、社内への良い影響を及ぼす

加えて、既存社員に対しても効果が期待できます。「社員としての理想像」が明確になることで、自身の行動を自己評価できるようになり、あり方や行動の基準が高まっていくのです。その結果、採用をきっかけとした『水質改善』による組織変革が起きていきます。

 

 

 

求める人物像を深堀りしましょう

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求める人物像を明確にすることで、上記のようなメリットがあることがわかりました。

では、求める人物像をいざ設定するとなったとき、どういった人材をイメージするでしょうか。一般的に多いのは、以下のような人物像です。

 

・ポジティブで明るく元気な人材

・素直で成長意欲の高い人材

・コミュニケーション能力があり、協調性のある人材

・社会的な常識や、礼儀、マナーを備えている人材

・やる気があり、自ら積極的に仕事に取り組んでくれる人材

 

その他、「外向性がある」「柔軟性がある」等もよく耳にします。

確かに、こういった人材が本当に入社してくれれば、社内も活気付き、「良い採用だった」と振返ることができる気がします。

 

しかし、『求める人物像』を明確にするにあたっては、更にもう一歩掘り下げる作業が重要になります。同じ企業や組織でも、募集・採用しようとする 「職種」や「仕事内容」、「配属しようとしている部署」や「将来担って欲しいポジションや役割」 等によって、『求める人物像』の掘り下げ方は変わってきます。

本当に価値のある「求める人物像」の設定のためには、まずどのような目的でその採用を行い、どういった業務や役割を担ってもらいたいのか、どういった成長・貢献をすることを期待するのか、を共有し、それらを実現するための具体的な要件に落とし込む必要があるのです。

 

 

 

求める人材を定めるための「演繹的アプローチ」・「帰納的アプローチ」

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では実際にはどのように『求める人物像』を設定するのでしょうか。

今回は、下記のコラムを参考に、『求める人材』の2つの策定方法についてご紹介します!

https://kanri.rikunabi.com/2018/rms/knowhow/library/textbook/talent01.html (採用なびGATE)

 

「求める人材像」の策定を行うには、「演繹的アプローチ」と「帰納的アプローチ」のふたつの方法があります。 

「演繹的アプローチ」

「演繹的アプローチ」とは、自社の事業や組織の分析から「求める人材像」を導き出す方法です。自社が社会に適切な価値を提供できるよう事業の方向性を策定し、事業戦略の実現が可能な構造の組織、システムをつくる。その中で、必要な業務を適切に遂行するために、組織全体に共通して必要な能力、性格や志向を推定します。

 

「帰納的アプローチ」

「帰納的アプローチ」とは、自社で現在、成果をあげている人材(ハイパフォーマー)を研究し、その人たちが持っている能力、性格や志向を抽出する方法です。「ハイパフォーマー本人へのインタビュー」「適性検査」「アンケート」などを実施して情報収集したり、経営者やマネージャーなどの管理職層へ「ハイパフォーマーの成果を生み出す要因」をヒアリングしたりして、必要な要素を導き出します。

 

 

それぞれのメリット・デメリットは?

「演繹的アプローチ」と「帰納的アプローチ」はそれぞれ上図のような特徴、メリットやデメリットがあります。これらを補い合うためにも、両方のアプローチで「求める人材像」を検討し、ふたつの「求める人材像」の間にあるギャップを、バランスを考えてすり合わせていくことが大切です。

 

演繹的アプローチからつくられた「人材像」は、事業や仕事を遂行するために必要な「あるべき姿」ではあるのですが、あくまでも理想像であり、現実の制約条件を反映できているわけではありません。現実的ではない、実現不可能な(もしくは労働市場に滅多に存在しない)要件を含んでいるかもしれません。

 

一方、帰納的アプローチからつくられた「人材像」は、まぎれもない事実です。しかし、その「人材像」は、自社の、ある特殊な環境や特定の個人の場合にのみ、成り立つものかもしれません。さらに、現実に存在している最高の要件ではあっても、さらに適したベストな要件が存在するかもしれません。

 

「自社にはどちらが適しているのでしょうか?」

一般論ですが、現在の自社の事業を取り囲む環境が安定的であれば、現在のハイパフォーマーから抽出した帰納的アプローチからの人材像を重視してもよいでしょう。一方で、環境が変革期にあり、近い将来、現在とは異なる人材が必要になりそうな状況であれば、配属される人材と現場との摩擦が起こらないような工夫を前提に、演繹的アプローチから導かれる人材像を重視してもよいでしょう。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「求める人物像」を明確にすることは、ミスマッチを防止し本当に必要な人材を確保するだけではなく、学生の興味関心を高める効果的な広告を出すことや、組織内の活性化等にも影響を及ぼします。

次年度の採用を考えるこの時期だからこそ、今一度、自社がなんのために新卒採用を行い、どういった業務をこなし、将来的にどういったポジションについてほしいのか等の目的や背景を見つめなおし、自社の「求める人物像」を検討してみてはいかがでしょうか。

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大石夏実

新卒採用業務の経験を積んだのち運用Gへ異動。大小様々な規模の企業の社会保険手続き等に携わりながら、もっと深堀したいこと、より詳しく紹介したいことを記事にしていきます。

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