任せる?任せない?部下の育成と信頼の見極めポイント

部下の成長には差があり、誰にどこまで任せてよいか、判断に迷います。育成と任せることのバランスって、どう考えたらいいのでしょうか?
人事担当として評価や育成に関わるようになってから、「この仕事、部下に任せるべきかどうか」と悩むことが増えました。
特に、経験が浅い社員や、指示がないと動けないタイプの社員だと、「まだ早いのでは?」と感じたり、逆に「自分で考えて動いてほしいのに…」と焦ることもあります。
部下の成長を促したい一方で、任せすぎて失敗させたくもない…そんなとき、どう判断したら良いのでしょうか?
回答
「段階的に任せる」ことで、自律性と信頼の両方が育ちます。
部下の成長には個人差があります。
大事なのは、「一律に任せる・任せない」ではなく、「どの段階で、どこまで任せるか」を見極めることです。
以下のステップを参考に、部下の状態に合わせて少しずつ任せていくと、育成と信頼のバランスがとりやすくなります。
(Step1)最初は「指示」で全体像を見せる
・やるべきこと、手順、ゴールを具体的に伝えます。
・「なぜこの仕事が必要か」も含めて伝えることで、背景理解と納得感が高まります。
・【例】「この資料は来週の会議で使うので、金曜までにこの内容でまとめてね」
⇒目的と意図を共有することで、行動に意味づけが生まれます。
(Step2)「どう思う?」と問いかける余白をつくる
・全部教えるのではなく、「ここはどうするのが良さそう?」と投げかけてみます。
・考える力・自分で選択する力を育てるチャンスになります。
・【例】「このやり方でも進められるけど、他にいい方法あると思う?」
⇒問いかけを増やすことで、受け身から自律への一歩が始まります。
(Step3)任せた後は「見守る+確認する」
・任せたら放置するのではなく、途中で軽く様子を見て声をかけます。
・「困っていそう」「迷っていそう」という様子があれば、タイミングよくサポートを。
・【例】「この前お願いした件、進み具合どう?何か詰まってるところある?」
⇒途中確認は、信頼のメッセージにもなります。
(Step4)「次はどうする?」で自律の循環をつくる
・終わった後に一緒に振り返ることで、次の成長につながります。
・「良かった点」と「次のチャレンジポイント」を対話で整理します。
・【例】「今回うまくいったところって、どこだと思う?」「次はどこを強化できそう?」
⇒任せる→ふりかえる→もう一段階任せる、の繰り返しで成長が加速します。
※判断に迷ったときの目安
以下のようなチェックポイントがあると、任せていいかの判断材料になります。
(見極めポイント)自分の状況を把握して動けるか?
(質問例)「今、何を優先して取り組んでる?」
(見極めポイント)ミスが起きたとき、振り返りができるか?
(質問例)「うまくいかなかった原因は何だと思う?」
(見極めポイント)自分から改善や工夫の提案があるか?
(質問例)「次はどう変えてみたいと思ってる?」
このような対話から、「自分の行動を言語化できるか」を観察すると、任せる判断がしやすくなります。
(最後に)
育成とは、「できるようにさせること」ではなく、
「自分で考えて動けるように導くこと」です。
任せることに不安があるときは、一気に任せるのではなく、「段階的に“考える余地”と“行動の幅”を少しずつ広げていく」ことで、自然と自律性と信頼が育まれていきます。
焦らず、着実に。
部下の「今できること」と「これから伸びる力」の両方に目を向けて関わっていくことが、人事としての大きな価値提供になります。
部下の成長には個人差があります。
大事なのは、「一律に任せる・任せない」ではなく、「どの段階で、どこまで任せるか」を見極めることです。
以下のステップを参考に、部下の状態に合わせて少しずつ任せていくと、育成と信頼のバランスがとりやすくなります。
(Step1)最初は「指示」で全体像を見せる
・やるべきこと、手順、ゴールを具体的に伝えます。
・「なぜこの仕事が必要か」も含めて伝えることで、背景理解と納得感が高まります。
・【例】「この資料は来週の会議で使うので、金曜までにこの内容でまとめてね」
⇒目的と意図を共有することで、行動に意味づけが生まれます。
(Step2)「どう思う?」と問いかける余白をつくる
・全部教えるのではなく、「ここはどうするのが良さそう?」と投げかけてみます。
・考える力・自分で選択する力を育てるチャンスになります。
・【例】「このやり方でも進められるけど、他にいい方法あると思う?」
⇒問いかけを増やすことで、受け身から自律への一歩が始まります。
(Step3)任せた後は「見守る+確認する」
・任せたら放置するのではなく、途中で軽く様子を見て声をかけます。
・「困っていそう」「迷っていそう」という様子があれば、タイミングよくサポートを。
・【例】「この前お願いした件、進み具合どう?何か詰まってるところある?」
⇒途中確認は、信頼のメッセージにもなります。
(Step4)「次はどうする?」で自律の循環をつくる
・終わった後に一緒に振り返ることで、次の成長につながります。
・「良かった点」と「次のチャレンジポイント」を対話で整理します。
・【例】「今回うまくいったところって、どこだと思う?」「次はどこを強化できそう?」
⇒任せる→ふりかえる→もう一段階任せる、の繰り返しで成長が加速します。
※判断に迷ったときの目安
以下のようなチェックポイントがあると、任せていいかの判断材料になります。
(見極めポイント)自分の状況を把握して動けるか?
(質問例)「今、何を優先して取り組んでる?」
(見極めポイント)ミスが起きたとき、振り返りができるか?
(質問例)「うまくいかなかった原因は何だと思う?」
(見極めポイント)自分から改善や工夫の提案があるか?
(質問例)「次はどう変えてみたいと思ってる?」
このような対話から、「自分の行動を言語化できるか」を観察すると、任せる判断がしやすくなります。
(最後に)
育成とは、「できるようにさせること」ではなく、
「自分で考えて動けるように導くこと」です。
任せることに不安があるときは、一気に任せるのではなく、「段階的に“考える余地”と“行動の幅”を少しずつ広げていく」ことで、自然と自律性と信頼が育まれていきます。
焦らず、着実に。
部下の「今できること」と「これから伸びる力」の両方に目を向けて関わっていくことが、人事としての大きな価値提供になります。
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