指示待ち社員から脱却。 自律性を引き出す4つのステップ

「最近、当社では社員のモチベーションや自律性の低さが問題になっています。特に、社員が自分で考え、自ら行動を起こすという姿勢が不足しているように感じます。どのようにすれば、社員がより自律的に考え、行動できるようになるでしょうか?」

回答

自律性を育むためには、社員が自身の役割や仕事に対する責任感を持ち、それを自分自身で管理できるような仕組みを導入することが重要です。これを実現するためのいくつかのステップをご提案します。

①目標設定のプロセスを見直す
目標を上司から与えるだけでなく、社員自身が目標を設定する機会を増やすことが大切です。この際、社員に対して「なぜこの目標が重要なのか」を深く理解してもらうようにします。目標設定のプロセスを、会社のビジョンやミッションと結びつけ、個々の目標がその達成にどう貢献するのかを説明することで、社員に自分の仕事がどれだけ大きな影響を与えるかを理解してもらいます。

②フィードバックの質と頻度を向上させる
目標達成のために進捗を確認する際、一方的な評価ではなく、対話型のフィードバックを重視してください。社員が自分の進捗を振り返り、その上でどう改善するかを自分で考える機会を与えることで、自己管理能力が向上します。また、フィードバックの頻度を増やすことにより、社員がより短期間で自己改善を図ることができるようになります。

③責任範囲を明確化し、成長機会を提供する
自律的に行動できる社員を育てるためには、彼らに挑戦的な業務を与えることが重要です。ただし、明確なガイドラインや支援を提供し、適切に責任範囲を定めることが不可欠です。責任感を持たせることで、社員は自分の行動が結果にどのように影響するのかを理解し、自発的に動くようになります。

④心理的安全性を確保する
社員が自律的に考え、行動するためには、失敗を恐れずに意見を表明できる環境が必要です。上司や同僚との信頼関係を構築し、自由にアイデアや問題点を共有できる場を設けることで、社員は積極的に行動する意欲を持つようになります。

これらのステップを通じて、社員が「指示待ち」ではなく、自分の役割に対して責任を持ち、積極的に行動するように変わっていくでしょう。重要なのは、社員の成長を促進する環境を作り、その成長をサポートし続けることです。



自律性を促進する際には、社員一人ひとりの成長段階に応じたアプローチを取ることが非常に重要です。すべての社員が同じ方法で成長するわけではないため、彼らが現在どの段階にいるかを理解し、その段階に適したサポートや機会を提供することが効果的です。以下に、成長段階に応じたアプローチのステップを示します。

・成長段階を理解する
まず、社員がどの成長段階にいるかを把握します。成長段階とは、例えば、自分の行動に対する責任感や他者との協力関係をどの程度意識しているかなど、仕事に対する考え方や行動に関するレベルを指します。初期段階にいる社員は、他者の指示や支援を強く必要とする一方、進んだ段階にいる社員は、より独立して意思決定を行える傾向があります。

・段階に応じた目標設定とサポートの提供
成長段階に基づいて、社員に適切な目標を設定し、必要なサポートを提供します。初期段階にいる社員には、より具体的な指示やガイドラインを提供し、進んだ段階の社員には、自分で解決策を考える機会を増やします。これにより、それぞれの成長段階に応じたチャレンジを提供でき、社員は自己管理能力を徐々に向上させていくことができます。

・フィードバックと振り返りの機会を調整
フィードバックの内容や頻度も、成長段階に応じて調整する必要があります。初期段階では、具体的な改善点や指示が求められることが多いですが、成長段階が進むにつれて、社員自身が振り返り、自己評価を行う機会を増やすことが有効です。これにより、社員は自分で考え、自発的に行動を起こす習慣を身につけやすくなります。

・成長段階に応じた責任と権限の拡大
社員が成長段階を進むにつれて、少しずつ責任範囲を広げ、自分で決断する機会を与えていきます。これは、自律性を高めるための重要なステップです。特に、一定の段階に達した社員には、他者をリードする経験を提供し、自己の行動がチームや会社全体にどのように影響するかを学ばせることが効果的です。

これらのアプローチを通じて、成長段階に応じた方法で社員をサポートし、最終的には自律的に行動できる人材へと育成することができます。
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公開日: 人事制度設計

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