雇用保険法改正!人事としてのポイントは?

先日、雇用保険法が改正になったと聞きました。

どのような点が改正されたのでしょうか?

また、人事として押さえておくべきポイントをご教示いただきたいです。

回答

2024年5月10日、改正雇用保険法が可決されました。
以下、改正のポイントとなります。

▼雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001255172.pdf

① 雇用保険の適用拡大: 週所定労働時間の基準を20時間以上から10時間以上に変更となります。これにより、新たに500万人が雇用保険の被保険者になると言われています。

② 教育訓練やリスキリング支援の充実: 自己都合退職者への給付制限を緩和(給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月へ短縮)し、教育訓練給付金の支給率を最大80%に引き上げます。

③ 育児休業給付の財政運営の確保: 育児休業給付に対する国庫負担割合を引き上げ、保険料率を0.4%から0.5%に引き上げる仕組みを導入します。

④ その他の改正: 介護休業給付等の支援強化、教育訓練支援給付金の給付率引き下げの暫定措置を2028年度末まで継続、就業促進手当の見直しなどが行われます。

ポイントとしては、まずは②です。
失業手当受給のための、いわゆる「待機期間」が短縮されることにより、労働者にとっては離職のハードルが下がることとなります。
国としては、この施策により雇用の流動性を高めようとする姿勢が伺えます。
企業にとっては人材流出に繋がる、とも考えられますが、逆の発想としては、よい人材を獲得するチャンスとも捉えられます。
この内容は、2025年4月1日より施行となります。
来年の話になりますので、押さえておくべき重要なポイントと言えます。

次に①です。
加入要件が拡大されることにより、従来パート、アルバイトとして短時間で勤務していた方でも雇用保険に加入させなければならない、ということとなります。
社会保険の適用拡大の時と同様、従業員への説明や、保険料の会社負担分増加に備える必要がございます。
この内容は2028年10月1日より施行となります。
長期的視点で準備を進めておくのがよろしいかと考えます。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!

最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)

公開日: 労務管理

日常業務に関するちょっとした疑問から、コンプライアンス、人事戦略まで、お気軽にご相談ください。

無料労務相談のお申し込みは、以下のバナーからどうぞ!
無料労務相談のお申し込み
PAGE TOP ↑