駐車場代補助は割増賃金の基礎賃金に入る?

時給制アルバイト社員に、出勤1日につき500円程度の駐車場代の補助の支給を考えています。
実際に自動車通勤をしている社員のみを対象としますが、この駐車場代補助は割増賃金の計算基礎に入れなくてはいけないでしょうか?

回答

割増賃金の算定基礎には除外できるとされている手当以外は全て算入しなければなりません。
今回はその除外できる手当のうちの「通勤手当」に、駐車場代補助を含めることができるかどうかがポイントとなります。

除外できる通勤手当の具体的な範囲は「通勤距離又は通勤に要する実際費用に応じて算定される手当」であり、通勤に要した費用や通勤距離に関係なく一律に支給される場合には除外対象とはできません。
①1日につき一律500円支給→割増賃金の基礎となる賃金に含めなければなりません
②駐車料金の一部補助として実費弁償的に支給→割増賃金の基礎から除外できる可能性があります

②とするためには、例えば「駐車場費用の補助として実費支給、但し上限500円」というルールを規程に盛り込み、出勤日毎に駐車料金の領収書を提出させ、500円以下であればその金額を支給し、それ以上であれば500円を上限として支給するというような、多少手間のかかる管理が必要となるでしょう。

割増賃金の基礎から除外できるかどうかは名称でなく実態で判断され、通勤に要する費用に駐車場代補助が含まれるかどうかも見解が分かれるところです。
労働基準監督官によってその判断が異なる場合もありますので、一度管轄の労働基準監督署にご相談されることをおすすめします。
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公開日: 賃金

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