成長型マインドセット組織(企業)と固定型マインドセット組織(企業)
弊社の組織おいて、部下が成長する(しやすい)部署と部下の成長が遅い(成長しにくい)部署があります。会社としても、各部署の成長(社員の成長)が会社の成長に繋がると方針を立てて取り組んでいますが、このような部署の格差を解消するに当たっての対策(ポイント)は、何かありますでしょうか。
回答
ご質問ありがとうございます。ご質問が概要的で詳細は分からない部分もありますが、弊社の経験上にてご回答したいと思います。
部署の風土などによって様々考えられる点はありますが、比較的、違いを発見しやすい企業内の仕組みから点検されることが良いかと思います。違いを発見しやすい企業内の仕組みとして、過去のデータや内容が確認できるものとして評価制度があります。多くの企業では、目標管理制度などを組み込みながら評価を実施しています。その場合、評価結果のフィードバックを行っていると思われますが、その時にフィードバックシートや評価表のコメント欄などを通じて、結果やその後のアドバイスなどを行いますが、これらのシートやコメント欄を確認することによって課題が見えてくることが多々あります。(口頭だけの場合は、課題の特定が難しいところですが、一定のルールを設けて記録させるようにすれば良いかと思います)
この評価者からのコメント等の内容がミスや欠点を指摘、追求、言及するような内容の場合、部下の意識は、ミスや欠点に向きます。それを改善や成長へつなげるようになっていれば良いのですが、指摘等のみで終わっていることが多く見られます。そのような状況が続くと部下もミスや避難を恐れ、ミスを報告しない、隠すようなことが行われ、場合によっては、責任転嫁やミスを恐れて挑戦意欲を削いでしまうことこととなります。さらに上司が部下の能力などの指摘を行えば、その部下は徐々に固定型のマインドセット(注1)となってしまいます。それが原因となって部下の成長、社員の成長を遅らせてしまう原因になります。
部下が成長している部署においては、ミスや失敗は、「学習の機会ととらえて、それがいずれ付加価値となる」と、捉えていたり、「欠点、弱みは、強みを発見・特定する情報」と、捉えています。これが、部下の成長型のマインドセット(注2)に繋がっていきます。
このように評価者(主に上司)の姿勢や言動等によって、その部署全体の社員の成長に影響していきます。成長型のマインドセットは、やり抜く力(GRIT)にも密接に関連しています。成長機会と捉えるようなれば、やり続けることもできます。反対に、固定型のマインドセットでは、ミスや欠点は、自分の能力や可能性を否定しますので、やり続けることは困難となってきます。そして、成長も遅れる、しなくなる状況になります。
これは、関わらせて頂いた企業でも顕著に部署の差が見られました。当然ながら、成長型のマインドセットの社員の多い部署は、モチベーションも高いことは言うまでもありません。
評価情報を確認して頂き、運用実態を把握することから始めて頂き、フィードバックなどの方法を改善することから始めていくのが良いでしょう。
(注1)固定型のマインドセット・・・知性や才能はほぼ固定的な性質だと捉えている。「自分の知性や才能は生まれ持ったもので、ほぼ変えることはできない」と強く信じている。
(注2)成長型のマインドセット・・・知性も才能も努力によって伸びると考える。先天的なものがどうであれ、根気強く努力を続ければ、自分の資質をさらに高めて成長できると信じている。
部署の風土などによって様々考えられる点はありますが、比較的、違いを発見しやすい企業内の仕組みから点検されることが良いかと思います。違いを発見しやすい企業内の仕組みとして、過去のデータや内容が確認できるものとして評価制度があります。多くの企業では、目標管理制度などを組み込みながら評価を実施しています。その場合、評価結果のフィードバックを行っていると思われますが、その時にフィードバックシートや評価表のコメント欄などを通じて、結果やその後のアドバイスなどを行いますが、これらのシートやコメント欄を確認することによって課題が見えてくることが多々あります。(口頭だけの場合は、課題の特定が難しいところですが、一定のルールを設けて記録させるようにすれば良いかと思います)
この評価者からのコメント等の内容がミスや欠点を指摘、追求、言及するような内容の場合、部下の意識は、ミスや欠点に向きます。それを改善や成長へつなげるようになっていれば良いのですが、指摘等のみで終わっていることが多く見られます。そのような状況が続くと部下もミスや避難を恐れ、ミスを報告しない、隠すようなことが行われ、場合によっては、責任転嫁やミスを恐れて挑戦意欲を削いでしまうことこととなります。さらに上司が部下の能力などの指摘を行えば、その部下は徐々に固定型のマインドセット(注1)となってしまいます。それが原因となって部下の成長、社員の成長を遅らせてしまう原因になります。
部下が成長している部署においては、ミスや失敗は、「学習の機会ととらえて、それがいずれ付加価値となる」と、捉えていたり、「欠点、弱みは、強みを発見・特定する情報」と、捉えています。これが、部下の成長型のマインドセット(注2)に繋がっていきます。
このように評価者(主に上司)の姿勢や言動等によって、その部署全体の社員の成長に影響していきます。成長型のマインドセットは、やり抜く力(GRIT)にも密接に関連しています。成長機会と捉えるようなれば、やり続けることもできます。反対に、固定型のマインドセットでは、ミスや欠点は、自分の能力や可能性を否定しますので、やり続けることは困難となってきます。そして、成長も遅れる、しなくなる状況になります。
これは、関わらせて頂いた企業でも顕著に部署の差が見られました。当然ながら、成長型のマインドセットの社員の多い部署は、モチベーションも高いことは言うまでもありません。
評価情報を確認して頂き、運用実態を把握することから始めて頂き、フィードバックなどの方法を改善することから始めていくのが良いでしょう。
(注1)固定型のマインドセット・・・知性や才能はほぼ固定的な性質だと捉えている。「自分の知性や才能は生まれ持ったもので、ほぼ変えることはできない」と強く信じている。
(注2)成長型のマインドセット・・・知性も才能も努力によって伸びると考える。先天的なものがどうであれ、根気強く努力を続ければ、自分の資質をさらに高めて成長できると信じている。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!
最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)
公開日:
- PREV
- 海外在留者の育児休業給付金の延長はできる?
- NEXT
- 二以上事業所勤務被保険者の保険料について