出張中の残業について

木曜日(7時最寄駅出立)~金曜日(20時業務終了)にかけて出張(大阪から横浜)がありました。

宿泊日当2日分(木・金曜日分)+宿泊2日分(木・金曜日分)+現地移動費および往復交通費
+6.5時間(異動時間2.5時間の往復と金曜日の18時以降の時間)の残業代の請求がありました。

弊社では、過去において最寄駅出立から最寄駅帰着までを出張とみなしておりましたが

①今年度より、現地作業終了時間までを出張とみなし、
現地での残業も上長の承認がなければ、認めないこととなりました。
また、宿泊も上長の承認が必要となり、宿泊日当は、宿泊数分支給されることになりました。
まず、この変更は、従業員に説明の上で了解があれば、合法でしょうか。
(変更は、会議で説明の上、従業員代表の署名押印がありますが、出張をした社員から
労働者にとって不利益となるため不当であるという訴えがあります。)
②出張先からの連絡で、17時半に会議が終了しているとのことです。
本人曰く、カフェで報告書を記載していたとのことですが、上長が残業を認めていません。
残業を認めないことは、違法でしょうか?
(上長いわく、③・④の行動があるため必要のない残業とみなしたとのことです。)
③20時業務終了ですので最終の新幹線に乗れるはずですが金曜日の宿泊費の請求は正当でしょうか。
(本人曰く、20時まで残業し、片づけをして、川崎から新横浜へ移動、新幹線のチケットを
購入しようとしたところ、購入できなかったし、私用のため翌日翌々日の休日を東京に
行かなければならなかったので宿泊をしたそうです。)
この場合、金曜日の宿泊代の請求はできないと思いますが、間違っていますでしょうか。
④日曜日の新幹線代(東京-大阪間)の領収書が添付されております。
新横浜-大阪間の旅費のみ支給することは、合法でしょうか。

以上、社員からは、請求額は正当であるという主張が出ております。
総務部の上長は、金曜日の宿泊日当、宿泊費、残業代、差分交通費(日曜日の東京-新横浜間)を
支給する必要なしと言われていますが、社員の主張が厳しく、本当に問題ないのでしょうか。
私としては、社員が不当と思う部分が多いのですが、正当と思える部分もあり、
正しいことがわかりません。
法的な判断をお聞かせください。

回答

結論から申し上げると貴職の上長と同様、金曜日の宿泊日当、宿泊費、残業代、差分交通費を支給する必要はないと考えます。
以下ご質問に沿ってまとめました。

①出張の移動中の時間は労働時間にあたらないというのが一般的な解釈です。ご質問の中心にある金曜日の18時以降の時間だけでなく、前後の移動時間についてもその間に何かを行うような業務上の指示がない限りは時間外労働とする必要はないと考えます。宿泊出張、出張先での残業に上長の承認が必要であることは会社の指揮命令として当然のことで、今回の変更は労務管理上の手続きを明確にしたものと思われます。
特段不利益変更として議論されるようなものではないと考えます。

②上長が残業を認めていないとのことですから、命じられていない時間外労働を行ったことになり、承認せずとも問題ないと考えます。唯一、報告書をその日のうちに提出するような指示が別途出ていれば、黙示的に残業を命じているという解釈もあり得ますが、これは当事者に確認すればよいことです。

③20時過ぎで帰阪のチケットが取れないとは思えませんが、仮にそのような事態になった時点で、本人は上長にそのことを伝えて宿泊の承認を得る必要があります。お話の限りその様子はないようですし、そうなった背景には命じられていないという残業があるわけですから宿泊費も認めないとすることに問題はないでしょう。

④会社は横浜への出張を命じたのであり、その経路を逸脱する交通費を認める理由はありません。

金曜日の残業の要否が今回のご質問の出発点ですので、まずはこれが指示命令に基づくものであるかご確認いただいて整理することをおすすめします。
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