2016年度新卒採用ーー8月の選考解禁を貴社は守りますか?
目次
実際どうする?2016年度採用スケジュール
2016年新卒採用は経団連の「採用選考の指針」によって、広報開始時期が3年生の3月以降、選考開始が8月以降と定められました。
現在の採用活動から広報は3カ月、選考開始は4カ月遅れる内容です。
このような指針が出ている中、企業の採用担当者が2016年度新卒採用についてどのような対応策を考えているのか尋ねました。
まず、選考は指針を順守せず「8月より前に行う」が4割となり、8月を待たず選考を開始する声が半数近くとなりました。
同様に、4割の企業が広報開始時期と定められた3月より前に学生への接触を予定していると回答しました。
早期接触の手法としては「インターンシップ」「学内セミナー」「大学との関係構築」という順に上げられ、大学とのコネクション作りを狙う姿勢が読み取れます。
一方、2016新卒採用の方針は「未定」という回答も4割あり、他社状況を見定めているという声も上がりました。
学業時間の捻出や留学の促進という政府の意図はあるものの、現実的には企業は「より優秀な人材を獲得」するための対応策をとらざるを得ず、各社の足並みがばらつく様子が伺える結果となりました。
8月の選考開始時期を守るか?
1.4割の企業が選考を「8月より前に開始すると思う」と回答
2016年新卒採用について「採用選考の指針」に沿って8月以降に選考を開始すると思うか尋ねたところ、約4割の企業が指針を守らず「8月より前に開始すると思う」と回答しました。
「検討しており、まだわからない」と回答した企業も4割となり、状況を見定めているという企業も少なくない結果となりま2.4割の企業が3月前に学生に接触する早期施策を導入予定。
手法はインターンシップや大学強化を狙っているとのこと。
4割の企業が「採用選考の指針」で広報開始時期と定められた3月より前に学生への接触を予定していると回答しました。
早期接触の手法としては「インターンシップ」「学内セミナー」「大学との関係構築」という順に上げられ、大学とのコネクション作りを狙う姿勢が読み取れます。
2.課題は「最適な採用スケジュールが判断できない」「辞退数が予測しづらい」が挙げられた
選考開始時期が遅れることによる課題を尋ねると、「最適な採用スケジュールが判断できない」「辞退数が予測しづらい」「選考時期のピークが集中しそう」等が挙げられました。
2016年度採用、フタを開ければ・・・
2016年新卒採用における「採用選考の指針」は、違反についての罰則はなく、このガイドラインを順守するか否かの対応にばらつきが出ることが、指針の発表時から不安視されていましたが、現実に起こりつつあることがわかる結果となりました。
採用活動期間が変わることで、大手は8月から10月1日の内定式へ向けた2ヶ月間の活動集中が見込まれ、中小では大手の内定が出そろった10月以降の6カ月間で採りきることが求められる厳しい活動が予測されます。
またリソース面では、3~4月の新入社員受け入れや入社式、8~9月のインターンシップと採用活動が重なることで社内の人員確保ができるか等、懸念点が複数あがります。
また、学生側でも、学業の影響で就活に割く時間の減少等が予測されます。
まだ五里霧中での対応策検討ですが、採用活動の成功への危機感があるため、今のうちから計画や方針を決めた企業では、ガイドラインに沿うことなく早期に動こうとしている様子が読み取れます。
今回のようなダイナミックな変化に対し、各社は採用目標に達しない時の代替策を予め検討しておき、柔軟に戦略変更できるようにしておくことが必要です。
そして、「自社の人材採用の手法」について方針を決め、新卒一括採用だけでなく、海外採用や中途採用へのシフトなど、中長期的に自社の採用成果達成に最適な手法を検討することが重要であると考えます。
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