評価制度の納得感を高めるには?社員の成長につながる評価の考え方

評価制度はあるものの、社員の納得感が十分に高まっていないと感じています。「評価の理由が分からない」「何を改善すればよいのか分からない」といった声もあり、管理職によって評価や面談の進め方に差が出ていることも課題です。社員が前向きに受け止め、成長につなげられる評価制度にするには、何から見直せばよいでしょうか?

回答

評価制度の納得感を高めるためには、評価項目や評価シートを整えるだけではなく、社員が「何を期待されているのか」「なぜその評価になったのか」「次に何を伸ばせばよいのか」を理解できるようにすることが大切です。

評価制度は、社員に点数をつけるためだけのものではありません。
社員が自分の仕事を振り返り、今の自分の強みや課題を知り、次の成長につなげていくための仕組みでもあります。

そのため、評価制度を考えるときは、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

1.会社が期待していることを明確にする

まず大切なのは、会社として社員に何を期待しているのかを整理することです。

たとえば、同じ「主体性」という言葉でも、人によって受け取り方は違います。ある人は「自分から提案すること」と考え、別の人は「最後まで責任を持ってやり切ること」と考えるかもしれません。

このように、評価項目が抽象的なままだと、社員も管理職も判断に迷いやすくなります。

そのため、「主体性」「責任感」「協調性」「リーダーシップ」といった言葉を使う場合でも、実際の仕事の中でどのような行動を指すのかを具体的にすることが重要です。

たとえば、次のような表現です。

・指示を待つだけでなく、自分で課題を見つけて行動している
・分からないことをそのままにせず、周囲に確認しながら進めている
・自分の担当業務だけでなく、チーム全体の状況にも目を向けている
・問題が起きたときに、原因を考え、改善に向けて動いている

このように具体的な行動で示すと、社員は「何をすれば評価されるのか」を理解しやすくなります。

2.評価の理由を説明できるようにする

次に大切なのは、評価結果の理由を説明できることです。

社員が評価に納得できない理由の一つは、「なぜその評価になったのか」が分からないことです。
評価ランクや点数だけを伝えられても、本人は何を良くすればよいのか分かりません。

評価を行うときは、できるだけ具体的な事実に基づいて伝えることが大切です。

たとえば、「もう少し主体性が必要です」と伝えるだけでは、社員は何を直せばよいのか分かりにくいです。
それよりも、「今回の業務では、問題が起きた後の報告はできていました。
一方で、問題が起きる前にリスクを相談できるようになると、さらに良くなります」と伝える方が、次の行動につながりやすくなります。

評価は、結果を伝える場であると同時に、次の行動を一緒に考える場でもあります。

3.面談を成長につなげる

評価制度の納得感を高めるには、評価面談の進め方も重要です。

面談が「結果を伝えるだけの時間」になると、社員は受け身になりやすくなります。反対に、社員自身が自分の仕事を振り返り、上司と一緒に次の目標を確認できる面談になれば、評価は成長のきっかけになります。

面談では、次のような流れで話すと分かりやすくなります。

1.評価期間中に取り組んだ仕事を振り返る
2.できるようになったことを確認する
3.うまくいかなかったことや課題を整理する
4.次に伸ばす行動を具体的に決める
5.必要な支援や学ぶ機会を確認する

ここで大切なのは、社員を責めることではなく、次にどうすればよいかを明確にすることです。

4. 管理職が同じ目線で評価できるようにする

評価制度は、管理職によって運用に差が出やすいものです。
同じ評価項目を使っていても、管理職ごとに判断の基準が違うと、社員は不公平に感じます。

そのため、人事部門は評価シートを作るだけでなく、管理職が同じ目線で評価できるように支援することが必要です。

たとえば、評価者向けの説明会を行う、評価基準ごとの具体例を用意する、評価会議で判断理由を確認する、といった取り組みが有効です。

評価制度は、仕組みだけで成り立つものではありません。
社員、管理職、人事部門が、制度の目的を理解し、日常の仕事や面談の中で使っていくことで、少しずつ納得感が高まっていきます。

評価制度を見直す際には、「公平に評価すること」と「社員の成長につなげること」の両方を意識することが大切です。社員が自分の現在地を理解し、次に何をすればよいかが分かる評価制度にすることで、制度は単なる査定ではなく、会社と社員の成長を支える仕組みになります。
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公開日: 人事制度設計

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