更年期障害、不妊治療休暇で男女差があっても問題ないですか?

更年期障害、不妊治療を理由とする有給の特別休暇について、

例えば、女性社員の支援を目的として

①女性のみを対象に付与する

②男女共有としつつ女性の付与日数を多くする

といった制度設計は問題ないでしょうか?

回答

制度趣旨や対象となる症状、負担の性質によっては許容される余地はありますが、男女差を設ける場合は慎重な設計が必要であり、特に不妊治療については男女共通とすることが望ましいと考えられます。

* 男女雇用機会均等法
→ 性別のみを理由とする差別的取扱いは禁止。
ただし、女性特有の健康課題への対応など、制度目的に合理性があり必要性が認められる措置については、直ちに違法と評価されるものではない。
* 労働基準法第68条
→ 生理休暇の規定あり(女性特有の措置の根拠)
* 厚生労働省
「不妊治療と仕事の両立支援マニュアル」
→ 不妊治療は男女とも関係するため、両立支援は男女共通での整備が推奨

(1)生理・更年期症状を理由とする休暇
これらは女性特有の生理現象であり、労働基準法第68条 において生理休暇が認められていることから、女性のみを対象とする制度でも合理性が認められる可能性が高いといえます。
(2)不妊治療を理由とする休暇
不妊の原因は男女双方に関係し、通院や心理的負担も男性に生じ得ます。
そのため、女性のみを対象とする制度は合理性に乏しく、均等法上問題となるリスクがあります。実務上も、男女共通の制度とすることが望ましいとされています。

トラブルを避ける観点では、次の設計が現実的です。
A.男女共通の「ヘルスケア休暇」
理由:生理、更年期、不妊治療、通院など

B.女性限定:「生理・更年期休暇」
男女共通:「不妊治療休暇」

結論として、女性特有の症状である生理・更年期を理由とする休暇について女性のみを対象とする制度には一定の合理性が認められる余地があります。
一方、不妊治療休暇については男女共通制度とすることが望ましく、性別のみを理由とした単純な付与差は慎重に検討すべきです。
実務上は、男女で日数差を設けるより、制度を分けて設計する方法がトラブル防止の観点から安全と考えられます。
また、利用しやすさやプライバシーへの配慮も重要です。管理職の理解促進が不十分な場合、制度が形骸化するおそれがあるため注意が必要です。
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公開日: 人事制度設計

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