ノーレイティングによるマネジメント
お世話になります。
「ノーレイティング」について教えてください。
近年、 米国企業を中心に年間の人事評価を行わない動きがあります。
今後、 導入すべきかどうか検討したいので気を付ける点などありましたら ご意見をいただきたいと思います。
回答
近年、米国グローバル企業を中心に、年一回(または年二回)の評価とランキングを廃止して、パフォーマンスマネジメントの見直しとして、「ノーレイティング」の流れが見られます。
しかしながら、まだ、良し悪しの判断もついていませんし、テスト的に行っている企業もあると言われています。
確かに、米国グローバル企業であれば、ビジネスの変化は速く、1年も経たないうちに事業環境が変わっていることもあります。ビジネスモデルが短期化し、昨日は、ブルーオーシャンであった市場が、今日にはレッドオーシャンとなり、勝ちパターンが継続できない環境となっているとも言われています。
そのような環境の中で「ノーレイティング」という取り組みを行って、環境変化に対応しようとしています。
「ノーレイテイング」の背景は、レイティングを廃止し、上司、部下等の間で頻繁に対話(フィードバックを含め)を通じて、育成、成果を向上させるパフォーマンスマネジメントの革新が広がっています。
現在、「ノーレイティング」の言葉だけが先行している感もございますが、重要となってくるのは、その取り組みを行う目的にあります。
取り組み企業の事例等によると、ビジネス環境の不確実性、複雑性等々に素早く対応するために行われる側面がありつつも、より対応力の高い人材を育成していくことが目的の中心となっています。
ビジネス環境に対応する中心は「ヒト」である以上、育成にポイントを置くことが大切であり、それ以外にも、社員の意識づけの変化、行動変容の促進、組織文化の変革などのねらいもあります。
また、米国企業等においては、「ノーレイテイング」の取り組みとともに(分布率に基づく)相対評価の廃止等についても行われています。先般のダイバーシティ、インクルージョンという流れの中で、個の強みを活かして組織を強くするためには、絶対評価による社員の育成・強化が必要であるためだと思われます。日本企業においての評価は、絶対評価が行われており、この辺りは、米国等との違いとなります。話は、若干逸れましたが、「ノーレイティング」の取り組みを検討するにあたり、次の点も考慮する必要があります。
マネジャーの裁量拡大とフィードバックの頻度の確保などです。ノーレイテイングにより現場のマネジャーの役割が大きく変わり、また、責任、裁量ともに大きくなるため、そこまで権限(人件費配分も含めた)を下すことができるか、その重責に耐えうるマネジャーが育っているかにも成否を左右するものです。
また、「ノーレイテイング」により頻繁な対話、フィードバックが行われることとなりますが、この点は、行動分析学的にも重要であり、良い点でありますが、その頻度を確保できるかという問題もあります。プレイングマネジャーとして日々多忙な場合、いかに意識し、頻度を高めていくかが課題となります。
導入するにあたっては、評価といった点からだけでなく、企業環境の変化の状況人材の状況、意識、組織文化等々を考慮した上で、目的を明確にし、何が最善かを検討する必要があります。
しかしながら、まだ、良し悪しの判断もついていませんし、テスト的に行っている企業もあると言われています。
確かに、米国グローバル企業であれば、ビジネスの変化は速く、1年も経たないうちに事業環境が変わっていることもあります。ビジネスモデルが短期化し、昨日は、ブルーオーシャンであった市場が、今日にはレッドオーシャンとなり、勝ちパターンが継続できない環境となっているとも言われています。
そのような環境の中で「ノーレイティング」という取り組みを行って、環境変化に対応しようとしています。
「ノーレイテイング」の背景は、レイティングを廃止し、上司、部下等の間で頻繁に対話(フィードバックを含め)を通じて、育成、成果を向上させるパフォーマンスマネジメントの革新が広がっています。
現在、「ノーレイティング」の言葉だけが先行している感もございますが、重要となってくるのは、その取り組みを行う目的にあります。
取り組み企業の事例等によると、ビジネス環境の不確実性、複雑性等々に素早く対応するために行われる側面がありつつも、より対応力の高い人材を育成していくことが目的の中心となっています。
ビジネス環境に対応する中心は「ヒト」である以上、育成にポイントを置くことが大切であり、それ以外にも、社員の意識づけの変化、行動変容の促進、組織文化の変革などのねらいもあります。
また、米国企業等においては、「ノーレイテイング」の取り組みとともに(分布率に基づく)相対評価の廃止等についても行われています。先般のダイバーシティ、インクルージョンという流れの中で、個の強みを活かして組織を強くするためには、絶対評価による社員の育成・強化が必要であるためだと思われます。日本企業においての評価は、絶対評価が行われており、この辺りは、米国等との違いとなります。話は、若干逸れましたが、「ノーレイティング」の取り組みを検討するにあたり、次の点も考慮する必要があります。
マネジャーの裁量拡大とフィードバックの頻度の確保などです。ノーレイテイングにより現場のマネジャーの役割が大きく変わり、また、責任、裁量ともに大きくなるため、そこまで権限(人件費配分も含めた)を下すことができるか、その重責に耐えうるマネジャーが育っているかにも成否を左右するものです。
また、「ノーレイテイング」により頻繁な対話、フィードバックが行われることとなりますが、この点は、行動分析学的にも重要であり、良い点でありますが、その頻度を確保できるかという問題もあります。プレイングマネジャーとして日々多忙な場合、いかに意識し、頻度を高めていくかが課題となります。
導入するにあたっては、評価といった点からだけでなく、企業環境の変化の状況人材の状況、意識、組織文化等々を考慮した上で、目的を明確にし、何が最善かを検討する必要があります。
The following two tabs change content below.
人事実務の専門家集団「社会保険労務士法人人事部サポートSRグループ」のwebメディア。人事制度、採用、労務、HRtech、法改正など旬の人事ニュースを掲載。実務に役立つExcelツールも無料配信中!
最新記事 by SR人事メディア編集部 (全て見る)
公開日:
- PREV
- 任意の研修、参加・不参加で評価できるか?
- NEXT
- 割増賃金の計算と欠勤・遅早控除について