こんな研修はいやだ~新入社員教育~
みなさんこんにちは。
2016年度内定者の秡川です。
2016年に突入し、はや1カ月、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
あと2カ月もすると僕たち学生が、スーツに身を包み社会へと踏み出していくわけです。ですが入社当日に特に説明もなく、いきなり「営業行ってこい」と言われるのも、僕ら新人には酷な話なわけで。
新人研修というありがたいシステムを日本企業をはじめ世界各国の企業が導入しています。
しかし、この「研修」が人事部のみなさんを、4月までの数カ月悩ませる要因となっているのではないでしょうか。
今回はタイトル通り研修についての記事です。
新人研修の昔と今
人事部のみなさんがまだ新人だった頃、新人研修はどのようなものだったでしょうか。
どのようなものであれ、昔の話です。一旦忘れてください。
これから僕が書く「ブラックな研修」とは、
現在の若者の物差しで一般的に不適当と判断されている内容を含むものです。
ですので、その内容に対して「軟弱だ」「俺の時代はそれが普通だった」「今の若者は根性がない」などとおっしゃられても非常に困ります。
繰り返します、これは
現在の若者の物差しで一般的に不適当と判断されている内容を含むものです。
時代が変われば人々の価値観もまた変わるものです。昔は「指導」の名の元行われていた、教師による多少の暴力も暗黙の了解とされていましたが、現代においては頭に触れただけで「体罰」だとはやしたてられ、そして懲戒免職処分となります。
時代とともに価値観は変わるものです。昔普通だったことが、今では普通ではなくなっているかもしれないのです。
若者から見た「ブラック」研修
そんな現代で、「ブラック研修」といわれるものが以下のような内容を含むものになります。
- 半ば監禁状態にする。(合宿などで施設に泊まり込みさせる等々)
- 本人の悪いところを挙げさせるなどして、徹底的にダメだしをする。
- 大声で絶叫させる。何度やっても声が小さい!と繰り返させる。
- 問題を考えさせ、何を言っても否定する。それを繰り返す。
- 眠らせず永遠に単純作業を続けさせる。
- 真っ暗な部屋で大音響を聞かせる、絶叫させる。
このような内容を含む研修を「ブラック研修」と判断しています。僕はします。
研修を担当した人事の方々はしっかりとした意図があって、上記の内容を含む研修にしていることかと思いますが、
そんなの関係ありません。正直僕ら若者には上記の活動になんらメリットを感じません。
なんなら2日目から来るのを止めます。
この文を見て、「根性がない」「甘えるな」とお考えになる方もいるかと思いますが、これが現代の若者の感覚です。
長期的な分かりにくいメリットよりも、短期的にメリットとなり得る内容に関心を持つ傾向にあるのではないか、というのが僕個人の考察です。
上記のような内容の研修において伝えたい、習得させたい項目がもちろんあることかと思いますが、ぜひとも方法を今一度考えなおしていただけるとありがたいです。
新人研修の担当者の宿命
僕はこの記事を書くにあたり、福嶋覚著『ムダ!な研修』を読みました。
そこで書かれていた項目のひとつに、
研修担当者にとってみると、研修という業務に関して、社内に三者のお客様がいる。しかもその三者をほぼ同時に満足させなくてはならないという宿命を負っている。
という記述がありました。ここでの三者とは
- 受講生
- 受講生の上司
- 会社(経営層)
というものです。
そして彼らの要求しているものは当然異なり、それは以下のようなものになっています。
- 受講生 :笑えて、しかもためになる
- 受講生の上司 :即、成果が出ること
- 会社(経営層):売り上げと利益に結びつくこと
研修を組み立てるにはぜひこの項目を達成しているものを。
新人研修サンプル
この本を読んでいく中で、面白いと思った研修を紹介したいと思います。
題 :「社内名刺交換会」
対象 : 新入社員
期間 : 半日
達成目標: 各自配られた名刺を全て交換しきる
目的 : 名刺交換の実践、社会人としてのマナーの学習、社内の雰囲気を知る、社内ネットワーク構築
この本で紹介されていた「社内名刺交換会」では、事前に名刺交換の手順、マナー講座等を受けた新入社員を対象に本社で名刺を交換する機会を与える、というものです。この研修は会社全体でバックアップを行っているものです。
新入社員が回り、名刺を交換する先輩社員方は通常通りの勤務を行っています。名刺をもらう相手は、管理職であろうが女性社員であろうが自由となっています(新入社員同士はNG)が、通常業務を行っているので、新入社員には業務を邪魔しないためにどうすればいいか、マナー研修で学んだことを元に実践する必要が出てきます。
そして、この研修ではただ名刺を交換できるわけではなく、しっかりと新入社員は名乗り、礼を尽くさないと交換できないよう先輩社員方には指示されています。
しかも、この研修では新入社員には配属されたい部署を重点的に回るよう指示されており、自分の目で部署の雰囲気、先輩の業務の様子を見て回れるのです。そのため、半日という時間をこの研修に割いているのだそうです。
そして、集めてきた名刺は、将来自分にとっての社内ネットワークとして使えることから、マナーが学べ、職場を直に見られ、そして配属前からネットワークの構築ができる、一石三鳥のプログラムです。
このプログラムは非常に有意義なものなのではないでしょうか。
皆さんの研修のプランニングに少しでも役立てればと思います。
それではまた
秡川
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