アメとムチが上手くいかない訳(1)
こんにちは。2016年度入社の吉野です。今回もダニエル・ピンク著『モチベーション3.0』からモチベーションに因んだお話を書いていこうと思います。
「アメとムチ」とは一方では甘く、一方では厳しくしその緩急の差で効率アップ、モチベーションアップに繋げるというものですが、本書ではその「アメとムチ」が上手くいかない理由が書かれています。今回はそのうちの1つをご紹介したいと思います。
・報酬与えること
心理学者は報酬による効果を、幼稚園児で実験しました。
グループ1は、自由時間に絵を描くと賞がもらえると知っているグループ
グループ2は、賞をもらえることをしらないグループ
グループ3は、何ももらえないグループ
これらのグループ分けをされた園児たち、果たしてどのグループが一番熱心に絵を描いたのでしょう?
・二週間後
「賞をもらえることをしらない」グループと「何ももらえない」グループの園児たちは実験前よりも、熱心に絵を描くようになりました。
一方、「賞をもらえることを分かっている」グループの園児たちは、実験前よりも明らかに、絵に対する意欲が失われていました。
なぜこのようなことが起こってしまったのでしょうか。
・遊びが仕事に変貌
グループ1の園児たちは遊びであったお絵かきが、賞をもらうための仕事に変貌してしまったのです。
この「条件付きの報酬」は園児たちに自律性を失わせてしまったのです。
報酬がもらえると分かると一時はその事柄に集中するが、長い目で見ると、その事柄自体にだんだんと興味を失っていくのです。
「アメとムチ」とは一般的に良い印象を受けますが、少しずつひも解いていくと、間違えた考え方なのかもしれません。ただ報酬を与えれば、それに向かって努力するのかと言われれば、もらえることが分かった途端にその報酬が「重荷」に変わってしまうのです。
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