外国人従業員の年金加入は掛け捨てになってしまうのか?

昨今のインバウンド需要に伴い、当社では外国人を多く雇い入れましたが、外国人従業員からの問い合せで、「病気になった時のために健康保険は加入するが、年金をもらうまで日本に居ないので厚生年金は掛け捨てになるから加入したくない」と言われました。この場合外国人従業員の言う通り、厚生年金には加入せず健康保険だけでも良いのでしょうか。

回答

まず押さえておきたいのは、健康保険と厚生年金はセットで加入するのが原則という事です。
個人の意思で自由に決められるわけではなく、日本に住んでいれば加入しなくてはなりません。

質問者様のように、年金をもらうまで日本に居ないという外国人の方には、「脱退一時金制度」という、掛け捨て防止のための制度があることを説明してはいかがでしょうか。
その他、外国人従業員の年金加入で注意すべき点は、出身国が「社会保障協定」であるかという点です。


「脱退一時金制度」とは
厚生年金または国民年金の被保険者資格を喪失し、かつ日本に住所を有しなくなった日から2年以内に請求することができる掛け捨て防止の制度です。

3つの支給要件
①厚生年金または国民年金の加入期間が6か月以上であること
②日本国籍をもっていないこと
③老齢基礎年金の受給資格を満たしていないこと

※脱退一時金を受け取ると加入者でなかった扱いになります。
※会社を辞めても日本に住所がある場合は、脱退一時金の請求はできません。
※外国人が帰国し2年以内に本人が申請して支給されるものになります。

日本年金機構の短期在留外国人の脱退一時金のページ
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/dattai-ichiji/20150406.html



「社会保障協定」とは
外国人が日本で雇用されたとき日本の社会保障制度と、母国の社会保障制度と二重で負担しなければならい場合が生じる可能性があり、また各国で年金を受け取るには一定期間の加入が必要なため、保険料の掛け捨てになってしまうことがあります。
そのため各国の社会保障制度において、保険料の二重負担や掛け捨てを防止するために加入すべき制度を二国間で調整し、年金加入期間の通算を行うための協定です。

保険料を掛け捨てにしないために、日本での年金加入期間を、協定を結んでいる国の年金制度に加入していたとみなし、その国の年金を受給できるようにします。

日本年金機構の社会保障協定のページ 協定相手国が確認できます
https://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyotei-gaiyou/20141125.html


上記をふまえ、
・日本では年金に加入する義務がある
・日本に住所を有しなくなり、帰国した際には「脱退一時金制度」で一時金が請求できる
・出身国が社会保障協定国であれば、加入期間を通算することができる

年金には加入したくないと申し出た外国人従業員には、このような説明ができます。
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