海外出向者の所得税計算について

毎年当社の社員を海外の会社に出向させています。

海外出向者の出国時の所得税は、毎年前例どおりに所得税計算していますが、今回の社員は3ヵ月間の出張で海外の会社で勤務することになり、勤務した後にそのまま1年以上その海外の会社に出向して勤務することが決定しました。
当該社員は出向が決定した後に一度帰国してから再度出国をしました。この際の所得税計算はどのように計算するのでしょうか。

 

なお、当該社員は6月1日~8月31日が出張。9月1日に海外出向が決定、9月中に一度日本に帰国して9月30日に再度出国しました。

9月中は国内勤務はありません。当社の給与計算期間は1日~末日、給与支給日は翌月10日です。

回答

海外勤務者の給与に対する源泉徴収の取り扱いは、支給日時点で「居住者」「非居住者」であるかどうか、給与計算期間内に「国内勤務」「国外勤務」であるかどうかで日本での課税範囲・課税方法が異なってきますので、それぞれをしっかりと判断することがポイントとなります。

所得税法上の「居住者」とは、国内に住所を有し、又は現在までに引き続き1年以上居所を有する個人と定義され、国内源泉所得、国内源泉所得以外の所得、いずれも課税対象です。
「非居住者」は居住者以外の個人(1年以上日本を離れると予定されている非居住者)と定義され、国内源泉所得は20.42%で課税され、国内源泉所得以外の所得は原則非課税(役員は例外あり)です。

今回のケースで居住者、非居住者を判断すると出張中の3ヵ月間はあくまで国内の貴社から業務命令により出張にて国外勤務しており、国内に住所を有したまま、海外に出張していますので「居住者」として取り扱われます。
その為、6月分~7月分は居住者(国外勤務)で7月10日、8月10日の支給日時点でも「居住者」の為、全額を課税として取り扱います。
しかし、8月分は、居住者で国外勤務をしていますが9月10日の支給日時点では「非居住者」とみなされますので非課税となります。
理由は9月1日に海外出向が決定したという点です。
所得税法施行令15条-1(国内に住所を有しない者と推定する場合)で「その者が国外において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。(以下抜粋)」と定めております。
原則は出国日の翌日が非居住者となりますので、ご質問にあります「一度帰国をして9月30日に再度出国する」ことにより、10月1日から非居住者の扱いとなるようにも考えられますが、今回のように出張からそのまま海外出向となった場合、いつ時点で非居住者となるかの判断は、海外出向が決定した日が所得税法施行令15-1に該当する為、9月1日以降は「非居住者」として取り扱われます。
以上から8月分は全て国外勤務、9月10日支給日時点で非居住者に該当する為、非課税となります。
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SR人事メディア編集部
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公開日: 税務・税法 賃金

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