妊産婦の労働時間管理、育児休暇の手続き、正しく行っていますか?

労働基準法では、女性の保護規定を多く定めています。妊産婦とは、妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性を言います。妊産婦を保護するため、労働時間はどのように決められているのでしょうか。また、労働者が育児休暇に入ったとき、会社はどのような社会保険の手続きをしなければならないのでしょうか。これから説明していきたいと思います。

 

1、 就労制限

妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性を、重量物を取り扱う業務や、有害ガスを発散する場所における業務、その他の妊産婦の妊娠・出産・保育などに有害である業務に就かせてはなりません。

 

2、 産前産後の休業

出産予定日から計算して、単胎6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内の期間について産前休業を請求することができます。

出産日の次の日から、産後休業が計算されます。産後8週間は産後休業期間となり、基本的に取得することが決められています。ただし、産後6週間を経過した女性については、医師によって支障がないと認められた業務には復職することができます。

ここの出産というのは、妊娠4ヵ月以上の分娩と言います。生産、死産、人工流産を問わず1ヵ月を28日として計算して、4ヵ月目に入る85日目までが保護されることになります。

また、産前・産後で休業している間とその後30日間は、解雇制限期間となり、ます。

 

3、妊産婦の労働時間

妊産婦は、法定労働時間を超えて労働させてはなりません。1ヵ月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制も適用することはできません。フレックスタイム制だけ適用されます。

 

4、産休の健康保険料、厚生年金保険料の徴収

被保険者が産前産後休業を利用する場合については、事業主と被保険者負担分の保険料が、事業主の申し出により免除されます。

産前産後休業とは、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間をいいます。

5、健康保険 出産育児一時給付金

被保険者が出産したときに出産育児一時金が支給されます。この出産というのは、2.で述べたとおり、妊娠4ヵ月以上の分娩を言います。生産、死産、流産(人工流産を含む)、早産を問いません。

支給額は1児につき定額42万です。妊娠週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度対象出産では無い場合は、40万4000円支給となります。

医療機関で書類をもらって手続きを行う、もしくは被保険者自身で請求を行うことができます。出産にかかった金額によって方法が異なる場合がありますので、各健康保険組合に確認が必要となります。また、出産育児一時金請求書に、医師の証明書の添付が必要となります。

 

6、健康保険 出産手当金

出産手当金の支給条件は、出産の日前後の一定期間に働いておらず、その期間、報酬の支払を受けなかったこととなります。

支給期間は出産の日以前42日(多胎妊娠は98日)から、出産の日後56日までの間で、欠勤した期間について支給されます。

支給額は、直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額平均額×1/30×2/3で計算されます。

報酬が支払われる場合、報酬の額が出産手当金の額に満たない場合はその差額が支給され、全額が支払われる場合は支給されません。

 

7、雇用保険 育児休業給付金

育児休業給付金の支給条件は、被保険者が、1歳に満たない子を養育するための休業をしていることです。やむを得ず支給単位期間において就業をしている場合、その日数は10日以下であることが必要です。

期間を定めて雇用される者にあっては、1年以上同じ事業主に引き続き雇用されていること、また、養育する子が1歳6ヵ月に達する日までに、その労働契約が満了していないことという条件も該当する必要があります。

支給額は支給単位期間を単位とします。原則として休業開始時の最初の180日間の支給額は:賃金日額×支給日数×67%その以降の支給額は:賃金日額×支給日数×50%となります。

支給単位期間に賃金が支払われた場合は、「賃金額+育児休業給付金の額」が、「休業開始時賃金日額×支給日数×80%」以上となるとき、「休業開始時賃金日額×支給日数×80%-賃金額」を支給します。

「賃金額」が「休業開始時賃金日額×支給日数×80%」以上となるとき、不支給となります。

※平成29年10月1日からは、育児休業期間について1歳6ヶ月以後に関しても保育園に入れない等の理由がある場合に、最長2歳に達するまで延長できると厚生労働省主導で提案されました。この提案は、育児のため、やむを得ずに仕事を中断する女性の復職への支援です。復職時間が遅いという反対意見がありますが、少子高齢化の日本社会にとって、キャリア支援は必要となります。

 

8、月額変更届

産前産後休業によって、報酬に変動があった場合には、通常の随時改定の要件に該当しなくても、被保険者からの申し出に基づき、標準報酬月額の改定を行うことができます。

 

 

 

まとめ

従業員が出産に伴って休業に入る場合、会社がいろいろな手続きをすることが求められます。このようなシステムによって女性従業員の福祉を守っているため、産前産後休業・育児休業を取得し安心して働くことができます。また、政府では、女性だけでなく男性の育児休業取得率も向上させることを目的として施策を行っていますので、そちらの動向もチェックしていく必要があります。

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